競争率100倍!「イオンの農業」人気の秘密 野菜生産面積は日本最大級、次はコメにも

拡大
縮小
コメ生産について「全国でもっと拡大していきたい」と語った福永庸明社長(撮影:尾形文繁)
イオングループは事業会社として、日本最大級の野菜の生産面積を持つことをご存じだろうか?そして今度は、大手小売りとして初めて大規模なコメ生産に参入する。
農業事業を担うイオンアグリ創造(従業員359名)では、野菜を中心に18の直営農場を展開している。事業参入するほかの小売り企業とは違い、自社の正社員によって農業を一から営む直営方式で規模を拡大してきた異色の存在だ。
コメの大規模生産に打って出る狙いは何か。イオンアグリ創造の福永庸明社長に聞いた。

 

――なぜこのタイミングでコメ生産を始めるのか。

2010年に羽生市のイオン直営農場(埼玉羽生農場)で野菜生産を始めた頃から、いずれコメも生産するつもりだった。それから5年が経過し、市から水田を借りて欲しいという依頼があり、既存農場に近接する11ヘクタール(11万平方メートル)の農地を貸借することにした。コメ生産をやるときには、まず海浜幕張の本社から近い関東近郊がいいと思っていたので、立地条件としては十分だ。

――どうやって人材の確保を?

新卒採用や社内公募だ。イオングループでの社内公募では、おかげさまで当社がもっとも人気が高く、たくさんの人が手を上げてくれる。中でも若い女性が特に目立つ。今度、羽生市の農場長になる20代の女性も、もともとは公募制を利用して異動してきた。3月に新しくオープンする『福井あわら農場』では、当社に新卒入社した女性が初めて農場長に就く。

「人まかせでは何も分からない」

最近の新卒採用(2015年4月に34名が入社予定)を見ると、当社の競争倍率はエントリー段階で100倍を超えた。私も最終面接に立ち会っており、学生からは『今まで農業関係に勤めたかったが、そもそもやっている企業がなかった』といった声が多く聞かれた。ほかにも『トラクターに乗ってみたい』とか、いろいろな学生がいることもわかった。

次ページ直営農場を展開する理由は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT