草なぎ剛さん「嫌いなことにはこう対処してきた」 最新映画『サバカン SABAKAN』インタビュー

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©2022「SABAKAN」Film Partners

スリリングな遊びと生き物との触れ合いが、僕のいちばんの核。あの原体験が表現力を培ってくれて、表現活動をするときにも役立てています。

日々そういう遊びをしていたおかげかはわかりませんが、体はすごく強くなりました。同時に、運動能力も鍛えられた気がします。ささいな出来事が人生を変えることもあるから、幼い頃の思い出は大切にすべきだなと思います。

映画では古き良き80年代がメインで描かれていて、昭和はいい意味でおおらかだったんですよね。

「いまの時代に生きる子どもたちはかわいそうだと思いますか?」という質問をされることもありますが、僕はそう思ってはいなくて。

僕のおいっ子や友達夫婦のお子さんを含めてキャンプへ行くことがありますが、子どもたちは僕の子ども時代のように、スリリングな遊びをしている。環境や育て方にもよると思いますが、現代の子どもたち全員が不幸だとは感じていません。

失敗をしてしまったときは…

──作品で草なぎさんは、主人公・久田孝明の大人時代を演じています。

彼は妻と別居していて、愛娘との面会交流は短時間で、日程も少ない。プライベートでもつらい思いをしているのに、彼は小説家としても痛い目に遭います。新作プランを編集者に提案しても「売れない」と断言され、モヤモヤした思いを抱え続けているんです。

©2022「SABAKAN」Film Partners

小説家になってからも、ある思い出が詰まったサバカンを自宅に買い置きしていて、彼は少年時代を思い出して、小説を書き始めます。その後は作品には描かれていませんが、その小説は大ヒットしたかもしれない。もしかしたら、作家生命を絶たれるようなミスを犯してしまったかもしれない。僕自身にも判断が難しいところです。

──もしも久田がミスをしたと仮定します。草なぎさんが仕事でミスをしたときの対処法はありますか。

ミスをしてしまったら、ことわざや格言を自分の頭の中にストックしておいて、いくつも思い出して脳内でリピートします。ベタでも似たような言葉でもいいんです。

僕の場合は、「失敗は成功のもと」「失敗は成長の糧になる」「失敗は成功の母」「やまない雨はない」「明けない夜はない」などでしょうか。

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