お葬式の「生花祭壇」づくりの知られざる世界 この世界に入り11年の彼女が語る「やりがい」

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S級を取得すると、オーダーメイドのニーズをもつ遺族とやりとりする仕事を任せられることが多くなる。生花祭壇は、喪主が世代交代してきている昨今、従来の菊の生花祭壇ではなく、花材と花祭壇の見た目のデザイン、色などのニーズが多様化している。その結果、カタログ以外の、オーダーメイド花祭壇も増え、全体の30%程になってきているという。

そのため、従来のように花祭壇の技術だけでは対応できない場面が増えてきている。カタログ通りのものを作る技術は当たり前で、「その技術にプラスして、ご家族様の思いをどう表現してあげられるかがS級取得者の腕の見せ所です」と古屋さんは説明する。

生け花とフラワーデザインも学ぶ

2つ目の「生け花」や「フラワーデザイン」の勉強は、先輩から「花祭壇をきれいに、上手につくるには、AFFAの検定以外にも、違った角度から花を勉強するといい」と言われたことから生け花とフラワーデザインの教室に通っている。

3つ目の「空間の使い方」や「表現力」に関する勉強は、先輩から「お客様からのいろいろな注文に対して対応できるようになるには、花のことを深く勉強したほうがいい」とアドバイスされて実践していることだ。

具体的には、ウィンドウディスプレイを見たり、グラフィックデザインなどデザインの本を読んだり、美術館に行ったりして、幅広く空間の使い方や表現の仕方を勉強している。

「勉強することが生花祭壇からどんどん離れていっているのですが、でも、それによって生花祭壇がうまく挿せるようになってきました。全部つながっているのだなと思います」というのが古屋さんの実感だ。

4つ目の「ジャパンカップ」とは、一般社団法人JFTD(花キューピット)が主催する日本で最大の「花のデザインコンテスト」である。古屋さんは、今年5月に開催された「2022ジャパンカップ」にユー花園の女性代表として初参加し、10名のファイナリストに勝ち残り7位入賞を果たした。

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