もうすぐ30代「ももクロ」私たちを魅了し続ける訳 TBSから異色のドキュメンタリー作品が登場

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TBSでは2021年4月より隔週日曜日の深夜に、『ドキュメンタリー「解放区」』という番組を放送している。『ももいろクローバーZ ~アイドルの向こう側~』も、もともとはこの枠で放送された番組となる。

この枠では、報道のみならず、スポーツ、バラエティ、ドラマなど、部署の垣根を越えたオールTBSから切り口、テーマ、手法は問わずに企画を募集することで、バラエティー豊かな企画が集まり、ユニークな番組が続々と誕生した。バラエティー制作の部署に所属している酒井監督も、この枠の企画募集に応募し、採用されたことで本作の制作を行うこととなった。

国内外での受賞やロングランヒット作品も

1955年に開局したTBSは、多くの記者たちが撮影した膨大なアーカイブ映像を所有している。当然ながら短い放送時間では収まりきらなかった取材映像もたくさんあった。番組では伝えきれなかった映像をどうにか一般公開できないか。

膨大なアーカイブ映像を保有し、活用を模索するTBS(写真:筆者撮影)

そのきっかけとなったのは、佐古忠彦監督が戦後の沖縄で米軍支配と闘った瀬長亀次郎に迫った2017年の映画『米軍が最も恐れた男~その名は、カメジロー~』だったという。

佐古監督の働きかけにより、2016年にTBSテレビで放送されたドキュメンタリー番組に当時の貴重な資料映像の数々を盛り込んで、TBSとしては初となるテレビドキュメンタリー番組の劇場公開を実現させた。作品の評判は非常に高く、その輪は地元・沖縄のみならず全国に波及。国内外の映画祭で賞を獲得するなど、高い評価を受けた。

さらに2020年3月には映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を制作。1969年の東大駒場キャンパスを舞台に、1000人近い学生たちと作家・三島由紀夫による熱い討論会を収めた映像は、もともとはTBSが保管していたアーカイブ映像であった。「この貴重な映像は大きなスクリーンで観てもらいたい」というプロデューサー陣の思いにより映画化が実現。「こんな映像が残っていたのか」という驚きの声も多く寄せられ、ロングランヒットを記録した。

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