夏も涼しく家電も使えるキャンピングカー新常識 エアコンや電源システムで自宅のような快適さ

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トラッド200
RVグランモービルが展示していたトラッド200(筆者撮影)

そのほかにも会場内には、気になる電源システムが多数あった。例えば、秋田県大仙市を拠点とする「RVグランモービル」が出展した「トラッド200(TRAD200)」には、リアバンパー左側に外部電源を引き込むコンセントが装備されていた。日産「NV200バネット」ベースの車中泊仕様で、装備をシンプルにしたこのモデルでは、105Ahのサブバッテリーを標準装備するが、それに加え、外部コンセント、充電器、ACコンセントといった外部電源ユニットと、電圧計などをオプションで装備することができる。

コンセント
リアバンパーには、外部電源を引き込むコンセントが用意されている(筆者撮影)

この装備を採用した理由は、同社担当者によれば、「例えば、最近、RVパーク(キャンピングカー専用の車中泊施設)などに、キャンピングカー向けの電源設備が整ってきた」ことが背景にある。車両に大がかりな充電システムや大容量のサブバッテリーを搭載すると、おのずと車体価格は高くなる。だが、必要最低限の装備とした車中泊仕様など、手軽なモデルを望むユーザーなどには、外部電源がある施設を利用することで、比較的安価な投資で、快適な旅が楽しめるからだ。なお、トラッド200の価格(税込み)は、基本装備のみで385万円~となっている。

災害時も使え、効率化が進む電源システムの行方

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新車・中古車を合計した国内キャンピングカー販売売上合計額も過去最高の635.4億円(対前年比109%)を記録し、2011年時点での約211億円から10年間で約3倍に増加。そのトレンドになっているんが電源システムだ(筆者撮影)

このように、ひとくちに電源システムといっても、さまざまなものがあり、搭載するモデルの特徴やニーズによっても変わってくる。冒頭で言及したソーラーパネルなどもその例で、サブバッテリーへの充電を効率よく、短時間で行うための装備として人気だ。より快適で、充実したクルマ旅を求めるアイテムにニーズが高まる近年のキャンピングカー。今後も、さまざまな新機能や新しい製品などが出てくることが予想される。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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