夏も涼しく家電も使えるキャンピングカー新常識 エアコンや電源システムで自宅のような快適さ
従来、キャンピングカーにも家庭用エアコンを装備するモデルが多かったが、ここ数年で搭載例が増えているのが「DC12V車載クーラー」だ。例えば、東京都武蔵村山市を拠点とするコーチビルダー(キャンピングカーメーカー、以下同)の「オーエムシー」が展示した「narrow銀河(ナローぎんが)」。トヨタ「ハイエース」の標準ボディ(ナロー)・ハイルーフをベースとしたバンコンバージョンと呼ばれるタイプで、常設2段ベッドや大人2名が対座できるダイネット、室内前方にはキッチンも備える。運転がしやすい標準ボディの車体に充実の装備が特徴で、乗車定員は7~8名、就寝定員は3~4名。標準装備の車体価格(税込み)は517万6600円~622万1600円だ。
手軽さが増した車載エアコン「クールスター」
このモデルには「クールスター」という車載専用のDC12V直流インバータークーラーが装備されていた(オプション設定)。キャンピングカー向けでは、オリジナル車両の製造などを手がける「ホワイトハウスキャンパー」を運営する、「ホワイトハウス」が扱っている。採用するメリットは、オーエムシーの担当者によれば、まず「AC100Vの家庭用エアコンと違い、変換器が不用」なことだ。
ご存じのとおり、国産車の電源は電圧12V仕様だが、同製品はそれに対応しており、車両へダイレクトに接続できる。一般的な家庭用エアコンを取り付ける場合に必須となる変換器は、それ自体が電力を消費し、バッテリーの電圧低下で変換器が止まる問題もあり、それらを解消しているのだ。しかも定格冷媒能力は2200Wあり、6畳タイプの家庭用エアコンに匹敵する冷却性能を持つという。なお、消費電力は最大値720Wで、温度調整範囲は18~28℃。真夏の日中で3~4時間、夜間では1晩程度サブバッテリーで稼働させることができる。
また、担当者は「室内機が奥行き16cmと超薄型で、小型である」こともメリットだという。家庭用エアコンの室内機と比べ、ふたまわりほど小さく軽量なため、取り付け面の補強が簡素化できるほか、室内レイアウトに自由度が増す。なお、幅は65cmで、高さは28cm、重量は6kgだ。とくにnarrow銀河のような、外観がほぼノーマルで、標準ボディを採用するモデルでは、室内の広さを確保しながら、どれだけ装備を充実させられるかが重要だといえる。このモデルの場合は、キッチンにクールスターを装備しているが、余計な出っ張りなどがなく、スッキリとしたレイアウントを実現している。
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