夏も涼しく家電も使えるキャンピングカー新常識 エアコンや電源システムで自宅のような快適さ

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グランドバケーション620プラスの内装(筆者撮影)

リチウムイオンバッテリーの利点は、同担当者によれば、まず、鉛タイプと比べ、「充電時間が短い」ことだ。また、例えば、同じ容量100Ahのバッテリーであれば、リチウムイオンは、鉛タイプより「約1.25倍の電流を出せる」ため、出力がより大きくなる。さらに鉛タイプは徐々に電圧が落ちるが、リチウムイオンであれば、「寿命がくる直前までキープできるため、より安定した電圧を最後まで使える」という。加えて、「充放電の限界回数は、比較的寿命が長い鉛ディープサイクルバッテリーでも約350~500回程度。対するリチウムイオンバッテリーは約2000回で、より長持ちする」というメリットもあるそうだ。

リチウムイオンバッテリーについては、よく爆発する危険性があることも指摘される。この点について、オーゼットの担当者は「衝突などにより、強い衝撃が加わらない限り心配はない」という。ただし、リチウムイオンバッテリーを搭載する場合は、充電方式も含め、きっちりと安全性を確保する設置方法をとることが不可欠だという。ニーズの高まりにより、採用例はますます増える一方、きちんとした搭載をすることで、「安心と安全」もしっかり担保する重要性にも言及した。

本格キャンピングカー向けの急速充電システム

トラックやバスをベースとした大型キャンピングカーでは、室内がより広く、設備も豪華だ。エアコンだけでなく、電子レンジや大型冷蔵庫、テレビや室内照明などを備えることで、停車中にはより大容量のサブバッテリーが必要になる。また、小・中型モデルと比べ、消費電力がかなり増えるため、2泊以上の長期旅行などでは、1回で充電できる量や、充電時間の短縮化なども求められる。そのため、各コーチビルダーでは、さまざまな工夫を凝らしたオリジナルの走行充電システムを開発していることも近年の特徴だ。

クレア5.3W
ナッツRVが展示していたクレア5.3W(筆者撮影)

その一例が、福岡県遠賀郡に本社を構える「ナッツRV」が展示した「クレア5.3W(CREA 5.3W)」だ。トヨタが供給するキャンピングカー専用ベース車両で、2021年に新型が登場した「カムロード」を使った本格キャンピングカーには、同社オリジナルの急速充電システム「ハイパーエボリューションNEO」が搭載されていた。

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