永守重信氏「順風満帆な人生は伸びていない証」 人生や経営が安泰ムードになったら警戒すべし
もちろん、一瞬で明るくなることはありません。困難が解決策を連れてくるわけですから、困難から逃げていては明るい朝はやってこない。もし、困難と解決策が別々に存在しているのであれば、困難から逃げて、解決策にたどり着くこともあるでしょう。
しかし、残念ながら、解決策というのは、困難と共にあるのです。解決策は、「困難さん」の上着の内ポケットに入っているため、真正面から困難にぶつからなければ出会えません。困難を見かけたら、こちらから出迎えるくらいでなければならないのですが、一般的には、多くの人が困難から逃げてしまう。だからいつまでたっても、解決策にたどり着かないのです。
失敗や挫折や強い人間、強い会社を作る
真夜中、夜明け前の暗い時間帯を過ぎて、少しだけ光明が見え始めて、それを乗り越えたところに明るい朝が来る―─。困難に真正面からぶつかっていく限りにおいては、絶対に問題は解決します。私はこの五十数年間1回たりとも、問題を解決できなかったことはありません。全部解決してきました。だから今日という明るい日を迎えているのです。
困難に正面からぶつかるなら、失敗したり、挫折することもあるでしょう。その失敗や挫折が、強い人間、強い会社をつくることになります。失敗というのは一生懸命やる、挑戦するからこそ起きるもので、順風満帆な人生、会社というのは、「伸びていない」ことの証であり、決して誇れるものではありません。
成長する人生、会社というのは、必ず困難とぶつかるようにできています。ですから、人生も経営も、安泰ムードになったら、警戒する必要があります。挑戦の中から出てくる失敗と対峙して、そこから這い上がる。真っ暗なトンネルを突き進む。逃げ出したくなるような無理難題を解決していくことにこそ、人生、そして仕事の喜びがあると私は考えています。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら