永守重信氏「順風満帆な人生は伸びていない証」 人生や経営が安泰ムードになったら警戒すべし
真似て学ぶというのは、こういうことであって、最初から「全部答えを教えてください」というのではいけません。全部答えを教えてもらっていると、その人なしでは正解にたどり着けなくなってしまうからです。だから、ただ単純に真似るだけでなく、自分の頭で考えながら真似ていく。そして、それを何度も何度も繰り返すうちに、だんだんと本物に近づいていく。真似て学ぶというのはそういうことなのです。
言い訳しているうちは成功しない
あなたが何かを成し遂げたいと考えているなら、「必ず出来る」という意気込みでやり抜く覚悟が必要です。一度うまくいかなくなると、「コロナ禍があったから」とか「ウクライナ有事があったから」といった言い訳をする人がいますが、言い訳をしているうちは絶対に成功しません。原理原則さえしっかりと押さえておけば、危機が到来したからといって慌てることもないのです。
たとえば、日本電産のグループ会社の業績が一時的に悪化したとしても、トップが言い訳をせずに、現状と課題に対して真正面からぶつかっているのであれば、私はまったく心配しません。逃げずに問題と向き合っているなら、必ず解決に至るということを知っているからです。
それは人生でも同じで、自分の目の前の課題から逃げずにぶつかれば、そこから自ずと学びが生まれ、進むべき道が見えてくるものなのです。目の前に大きな岩があるなら、時間がかかってもいいから、岩に穴を開けてでも通れるようにするしかありません。うまく回避する方法などないのです。山があるなら山を崩すしかないし、川があるなら橋を渡すしかない。どこかにうまい方法がないかと考えてばかりいても、状況は悪くなるばかりですから、すぐやる、必ずやる、出来るまでやるしかないのです。
「朝の来ない夜はない」「止まない雨はない」という言葉があるように、困難は必ず解決策を連れてくるものです。どんなに苦しい状況にあったとしても、夜中ばかりの人生というのはあり得ない。たとえどんなに長いトンネルであっても、前に進んでいけば、いつかは必ず抜けるようになっています。
しかし、真っ暗なトンネルの中にいるときは、いつ出口にたどり着くかわからなから不安に思うことでしょう。また、真っ暗な夜がいつまでも続いたらどうしようかと思うものですが、必ず朝はやってきます。そして、それはただの朝ではなく、明るい明るい朝がやってくる。天に輝くような太陽が昇ってくるものです。
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