ダイハツ「可愛さのチューニング」踏み込む背景 2代目ムーヴ キャンバス開発で求められたこと

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商品企画関係者は「2代目では、車名の認知度を上げたいという視点で鼻ではなく、CANBUSというロゴに変更した。しかし、鼻が好きというお客様も少なくないため、オプション設定としている」と、可愛さに対するフォローアップを欠かさない。

ムーヴ キャンバスのオプション装着車両
オプションパッケージ「Relex+」を装着したストライプス(筆者撮影)

ストライプスについては、外観はキープコンセプトだが、インテリアはガラッと変わっている。

初代での実際の使われ方を調査すると、コロナ禍になる前から車を止めて車内で飲食する機会が多かったり、フィギュアやぬいぐるみなどを車内に飾ったりするケースが少なくなかったという。

そこで、トレー形状にするのが一般的なダッシュボードを、思い切ってテーブル形状とした。デザイン担当者は「ちゃんとした綺麗な机で、綺麗な部屋に仕立ててあげたかった」という可愛さへの配慮を見せた。

ストライプスのインテリア
ストライプスのインテリア(筆者撮影)

月間販売8000台もいけるか?

「可愛さのチューニング」を施したストライプスに加えて、新たなるチャレンジを実行したのが、モノトーンカラー仕様となる「セオリー」だ。

モノトーンのボディカラーは初代にもあったが「ツートーンが主流で、モノトーンはベースグレードのように思われてしまい、存在感が薄かった」という。

そこで、2代目は「母娘だけでなく、父娘や母息子まで」とターゲットユーザーを拡げるために、モノトーン車を独立した仕様として設定。「自分の価値観や、大人としての持論がある、自分へのこだわりを大切にする人」という意味で、セオリーと命名した。

セオリーのインテリア
シックなカラーとなるセオリーのインテリア(筆者撮影)

ストライブスとセオリーの販売比率のイメージについて、商品企画担当者は「期待を込めて5:5」と見込む。

初代では、ツートーンとモノトーンカラー(主に特別仕様車)の比率は7:3だったというから、それをベースに5:5という数字を考えると、月間4000台×2仕様=8000台がモデルライフを通じて達成できる計算だ。なお、ダイハツの立てた2代目の月間販売目標は6500台である。

「ひとめぼれ」での購入動機が多いというムーヴ キャンバス。果たして、セオリーに「ひとめぼれ」以上の価値を感じるユーザーはどれほど増えるのか。今後の動向をじっくり見守っていきたい。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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