「熱中症」搬送件数が真夏より増加する意外な時期 気温だけでなく「暑熱順化」の獲得も大きく影響
「暑熱順化」という言葉を知っていますか?
暑熱順化とは、暑さに身体が慣れることを言いますが、具体的には、汗をたくさんかけるようになったり、血液の量(血漿量)が増加したりすることなどによって、体温が上昇しにくい状態に身体が適応することを言います。
また、汗の中に含まれるナトリウム(塩分)の量なども減少します。
このことは、たくさん汗をかいても、身体の中から塩分が失われる量が多くならないことにつながります。従って、暑熱順化は、実際の運動時に行う水分補給や身体冷却とは時間軸が異なります。下のグラフは、暑熱順化によって起こる生理的指標の変化をまとめたものです。
暑熱順化による身体の適応は、どれも体温が上がりにくくなるための変化です。例えば血漿量(血液量)の増加は、体温が上がりづらい状態の維持につながりますし、汗をかける量が増えることは蒸発による熱放散量を増加させることにつながります。
さらに、これらの変化は、同一運動強度での心拍数低下や最大酸素摂取量・筋発揮パワー増加、疲労困憊に至るまでの時間延長などパフォーマンス発揮の改善にもつながります。
では、どうすれば適切に暑熱順化できるのでしょうか?
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