サンリオ「第2のハローキティ」生み出す本気改革 ライバル続々登場、かわいいではもう勝てない
社内コンペを通過した25の新キャラクターがエントリーし、①デザイン、②動画、③グッズの段階ごとにファン投票を実施。最終的に1位を獲得したキャラクターが2023年に本格デビューする。7月にはデザインの投票を終え、10キャラクターに絞り込まれた。
第2段階の動画の投票は10月頃を予定している。「この後どうなったら面白い?何が見たい?」など、投票からファンの意見も取り入れていく。一緒にキャラクターを育てていると感じてもらうことが狙いだ。年明けの第3段階以降は配信ライブや交通広告の投入、各種コラボなども検討しており、一段とイベントを盛り上げる考えだ。
育成段階から見せて支持を集める
これらは近年のエンタメマーケティングの流れに沿った手法といえる。NiziU(ニジュー)やJO1(ジェイオーワン)といった人気グループは、オーディション番組を経てデビューした。育成ストーリーを丁寧に見せることでデビュー前からファンを醸成し、人気を確たるものにするわけだ。
マーケットインの発想を浸透させるべく、組織も見直した。カギを握るのは4月に発足したIP創造部。同部署にはデザイナーとともにプロデューサーの役割を担う社員を置き、二人三脚でキャラクターを育成する仕組みだ。
以前はデザイナーがまずキャラクターを生み出し、それをどう広げるかという流れだった。今後はどの場所(リアル店舗やネットプラットフォームなど)でどんな層に向けてキャラクターを打ち出するかを考え、そこからキャラクターを創出する順番になる。
そこで重要なのがプロデューサーだ。NEXT KAWAII PROJECTでも「キャッチコピーをつけて、ユーザーに一目でわかりやすいキャラクターにしてほしい」など、デザイナーにさまざまなお題を投げかけてきた。
デザイナーのアイデアを引き出し、プロジェクトを構えて工程を管理する。プロモーション、サイトやSNSの運営も考慮して進めるなど、高度な役割が求められる。
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