教養を身につけたいなら「ググる」のがいい理由 成毛眞さんが語るインプット・アウトプット術
「教養を身につけたいけれど本を読む時間がない」
――成毛さんは書評サイト「HONZ」を運営されていて、読書術に関する本もこれまでに執筆されてきました。一方で新著『39歳からのシン教養』では、インターネットから知識を得る方法が主に紹介されています。本書の執筆に至ったきっかけを教えてください。
「教養を身につけるにはどうしたらいいですか?」と編集者が相談してくれたのがきっかけです。「教養がない」とコンプレックスを抱いていて、なんとかしたい。ところが今の時代、歴史だけではなく自然科学や感染症など教養の範囲が広く、学ぶべきことが多すぎる。そのうえ忙しくて本をじっくり読む時間がないというのが、編集者の悩みでした。
その編集者が39歳だから『39歳からのシン教養』というタイトルになりましたが、編集者が41歳だったら「41歳からのシン教養」となっていたでしょう(笑)。
FacebookなどのSNSを見ても、30代後半から50代にかけて「どうやって教養を身につけるか」「これからどうやって生きていこうか」と悩んでいる人が多いと感じますね。デジタルネイティブ世代が社会に対する影響力を持ち始め、30代後半から50代の人は新たな常識や価値観を突きつけられています。
会社では、特定のジャンルを徹底的に深掘りしているオタクや、プログラミングなどの専門技術を身につけた学生を部下に持つ可能性もあります。とはいえ、デジタルネイティブ世代に対抗するために本を読んで教養を詰め込もうとすると、あまりに時間がかかる。
そこで本書では、効率的に教養を身につける方法として「ググること」を勧めています。1日30分程度、気になるキーワードをググる。それを継続すればするほど、知識が蓄積されていくはずです。
僕自身も今、知識の9割を本ではなくインターネットから得ています。本を買ったり図書館に行ったりする時間が節約できるからではありません。最大の理由はネットの文章が簡潔であることです。
インターネット空間を自分の大脳の延長、教養のデータベースとして、徹底的にググる。そうすることで「最短ルート」での学びが可能になります。要するに、長い時間をかけて大量の本を読み大量の知識をインプットするという作業をネットで代行すればいいわけです。
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