「なまり節ラー油」は、どのように生まれたか 高校生が動けば、地域活性化が動き始める

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また、 「チャレンジ精神・積極性が向上した」、「コミュニケーション力が向上した」との回答も高い比率になっています。担当した教員からは、「何のために学ぶのかの気づきになった」、「将来への意欲が高まり、学力も向上した」などの声が数多くあがっています。

 気仙沼なまり節ラー油プロジェクトに参加した高校生も次のように語っています。 

「私はずっと気仙沼を出たいと思っていた。今でもその思いは変わらない。だけれども、今は色々学んでそれを持ち帰りたい。それを待っている人たちがいるから。だから私は地元を出て大学に行くんです。そのために大学に行ってみたいんです」

高校生こそが地元の若者の代表

大学進学や就職で多くの若者が地元を離れることを考えると、高校生こそが地元の若者の代表です。

地元の高校生が、地域の良さを知り、自由な発想で考えてプランをつくり、行動する、周りの大人や企業がそれに巻き込まれて行動する。そのような実践的な教育活動で、地域の担い手としての若者の育成が進み、同時に、高校生との共同プロジェクト自体が地域活性化の一つのスタイルとして定着してゆくことを期待しています。

石井 芳明 経済産業省 新規事業調整官

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いしい よしあき / Yoshiaki Ishii

経済産業省 経済産業政策局 新規産業室 新規事業調整官。1965年生まれ。1987年、岡山大学法学部法学科卒業。1996年、カリフォルニア大学バークレー校 留学(公共政策 単位履修生)。2000年、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科卒業(国際経営学修士)。2012年、早稲田大学大学院商学研究科卒業(商学博士)。1987年、通商産業省(現・経済産業省)入省。中小企業・ベンチャー企業政策、産業技術政策、地域振興政策等に従事。1997年、同省工業技術院国際研究協力課、2000年、中小企業庁経営支援課、2003年、経済産業政策局産業組織課、2006年、中小企業基盤整備機構資金支援課、2007年、同ファンド企画課、2008年、大田区産業経済部産業振興課課長、2011年、地域経済産業グループ地域経済産業政策課を経て、2012年から現職。

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