痩せるための有酸素運動、時間の無駄と勘違い 加齢で太り始めるのは筋肉が減っているから
何が効果的で何が効果的でないのかを検証する必要に迫られたローレンは、最新のストレングス&コンディショニング理論とスポーツ科学を応用し、わずかな時間でよりよい結果を出すトレーニングを生み出した。
この方法を取ることで、トレーニングの脱落率は40%ほど削減したという。無駄な脂肪を短期間で削ぎ落し、筋肉質で健康でもある体を最速で開発することになった。
とはいえ、『マッスルエリート養成バイブル』は、何も超人的な肉体をつくり上げたい人だけのものではない。日々の健康維持を自重筋トレで行いたい人も含む、すべての人に不可欠なトレーニング法を紹介している。さらに、筋力だけでなく、心臓、肺などの心肺機能を向上させる要素もあるという。
なぜ、有酸素運動は時間の無駄なのか
冒頭のローレンのコメントに戻る。なぜ、有酸素運動では痩せられないのか。
例えば、「体重60キロの女性が目標とする有酸素運動の心拍域で15時間運動すれば、約500グラムの脂肪が燃焼する」とうたう広告があったとする。
私たちの代謝機能がこの宣伝文句のとおりの速度でカロリーを消費していれば、人類は氷河期を生き延びてはいない。マンモスを探している間にカロリーが枯渇し、狩りができずに餓死することになるからだ。
現代に置き換えると、スーパーへ買い物に行くために消費するカロリーだけで息絶え絶えになる、ということを意味する。
ランニング、サイクリングなどの有酸素運動でトレーニングすればするほど楽になるのは、心肺機能が向上するからではない。筋肉に持久力が付くから楽になるのではなく、特定の動作に対して体が効率的に動くようになっただけ。つまり作業効率がアップしているだけなのだ。