「リノベ」でいつだってやり直せる、家も人生も ドラマ『魔法のリノベ』が描きたかったこと
西尾:第2話で、小梅と玄之介が道で話すシーンで、アドバイスさせていただいた内容が採用されていて感動しました。「まずはぺらぺらしゃべらずに」と原稿に書いてあったのですが、さらに「相談いただいた後、奥深く聞いたうえで、返ってきた答えに共感すること」、この2つがリノベの営業メソッドですと申し上げたんですが、上田さんがセリフとしてかみ砕いて形で台本に載っていたときには「うわー、やった」と(笑)。
上田:それ以来僕も調子に乗って、いろいろ無茶な質問をさせてもらってます(笑)。エンターテインメントなんで、けれん味も必要ですが、嘘も書いてはいけない。現実に即した形で、かつおもしろみもある作品にしたいですね。
今回のドラマはリノベにプラスして、人間関係や、恋愛の話や、いろんな要素が混ざって、それも最終的に解決するような複雑なストーリーになっています。こんな複雑なドラマ書いたことないというぐらい(笑)。制作スタッフも、内容に合わせて実際の物件を探さなきゃいけなくて本当に大変そうですが、いいチームで作品作りができています。
大切なものを残せるのがリノベのいいところ
――日本でも最近は〝新築信仰〟が薄れて、今の住まいをリノベして住み続けたり、中古物件をリノベして住み替えたりする人が増えています。
上田:昔の建物のほうがリッチだったりしますからね。原作『魔法のリノベ』は最近の作品ですが(注:2015~2018年に連載され一旦完結。今年5月から「令和版」が再スタート)、しっかりと作られていてずっと読み継がれていきそうです。
中にはどうにもならないようなインスタントな原作も、ときにはあるんですよ。でも、ずっと生き残ってる古い作品はどこか芯が強くて、今生き返らせても、まだまだいける。
同じように、いたずらに新築を建てるのではなく、リノベをするほうがおもしろみのある住まいになることもあるのでしょうね。
自分の実家も築100年ですから、普通に考えたら建て替えたほうがいいのかもしれませんが……。