日本人タジタジ「外国人の強烈な自己主張」の正体 グローバルで勝つために「悪ガキ人材」重用せよ

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私たち日本人は欧米人の(そして多くの場合、中国人やインド人の)自己肯定感に圧倒されることがありますが、その根本的な理由はスタイルの違いであり、育つ環境の違いにあるのです。

日本的エリートがグローバル展開が下手なわけ

本稿で紹介した「自分の要求をハッキリとさせ、強く主張する」「理由は『Because I say so』程度でも言い張る」「好き嫌いを重んじる」「謎の自己肯定感を持つ」という性格特性は、欧米では極めて一般的です。

ですので、グローバルビジネスの現場では、こういった性格特性を持った人たちを相手にしなくてはいけないのです。

今紹介した4つの性格特性は、拙書『世界は悪ガキを求めている』で紹介している悪ガキ的リーダーの特性と符合します。つまり、欧米の「普通の人」は、この点において日本の「悪ガキ」に近いのです。

一連の連載記事の中で何回か説明しましたが、日本企業には「悪ガキ」を重用する文化がありません。文化がないので、当然「悪ガキ」的人材は育ちません。

そして、ここに日本企業がグローバル展開において大きなハンディを負っている理由があります。悪ガキが集まりしのぎを削っている戦場で、お上品な日本的エリートが勝つのは、残念ながら非常に難しいのです。

だから私は、グローバル展開をしている企業の経営陣には、ぜひ「悪ガキ」を採用し、重用することを勧めています。そうしないと、いつまでたっても日本がグローバルの戦場で対等に戦いを展開していけるようにはならないのです。

(構成:小関 敦之)

妹尾 輝男 ヘッドハンター、コーン・フェリー元日本代表

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せのお てるお / Teruo Senoo

1975年、横浜国立大学卒業。ロンドン、バミューダ諸島、東京にて石油製品トレーディング会社に勤務した後、1988年、スタンフォード大学で経営学修士(MBA)取得。ベイン・アンド・カンパニーを経て、世界最大の人材組織コンサルティング会社コーン・フェリーに入社。

同グループで30年以上、主にグローバル・トップ企業のエグゼクティブ・クラスを対象に、ヘッドハンターとして第一線で活躍。その間、日本法人社長を9年間、会長を1年間務め、現在は特別顧問。ヘッドハントしたエグゼクティブの数は400人を超える。

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