元なでしこ岩清水梓さん「出産=引退」を変えたい ママプロWEリーガーが語った「使命」とは

拡大
縮小

「産後2カ月くらいまでは、まったくサッカーのことが頭に入ってきませんでした。授乳で夜もまともに寝られなかったし、体力も精神力もすべて母親業に持っていかれましたね」

ただ、どんなに育児が大変でも、子育てと仕事(サッカー)の両立を諦めようとは思わなかった。

「両立すると宣言した以上、絶対やりたいと思いました。それに、新しいことにチャレンジしたいという気持ちも強かった。

自分がこのチャレンジをやりとげることは、サッカー界にも価値があることだと思ったんです」

リハビリをスタートして愕然

産後3カ月目以降は、少しずつ自分の時間も持てるように。時間を見つけては体を動かし、復帰に向けてリハビリをスタートさせた。

だが、すべてが思いどおりに運んだわけではない。コロナ禍の影響で行動が制限され、プランどおりとはいかなかったためだ。

また、思った以上に体力は落ちていた。軽いジョギングでも息が切れてしまう自分に愕然とした。

自分の体なのに自分の体ではないような、歯がゆい感覚。現実を受け入れるのに時間がかかった。

「とてもじゃないけれど、これではチームに戻れない、そう思いました。それで、医師や栄養士、トレーナーなど専門家の方に相談して。

自分の体がいまどんな状態なのか詳しく教えてもらい、『今は仕方ないんだ』と自分を納得させました」

焦っても仕方がない、やることをやっていくしかない

そうやって折り合いをつけたことで、自分の状態を受け入れることができた。

次ページ「夢がかなった」息子を抱いて選手入場
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT