4代目「エクストレイル」原点回帰か?革新か? 全車「VCターボ+e-POWER」で衝撃のデビュー

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「エクストリーマーX」は、アンダープロテクターや専用デザインの18インチアルミホイール、専用デザイン防水シート(セルクロス)などを装備し、よりタフギアイメージを高めたもの。

エクストリーマーXに装備される防水シート(写真:木谷宗義)

AUTECHは都会的な3代目モデルのイメージを、エクストリーマーXは初代~2代目のタフギア的なイメージを、それぞれ強めたイメージで開発したとオーテック関係者は言う。なお、どちらもパワートレインなどは、基本グレードと同一だ。

新型エクストレイルの価格は以下のとおり。

<2WD・2列シート>
S:319万8800円
X:349万9100円
G:429万8800円
AUTECH:420万5300円

<4WD・2列シート>
S e-4ORCE:347万9300円
X e-4ORCE:379万9400円
X e-4ORCE エクストリーマーX:412万9400円
G e-4ORCE:449万9000円
AUTECH e-4ORCE:412万9400円
AUTECH e-4ORCE Advanced Package:504万6800円

<4WD・3列シート>
X e-4ORCE:393万300円
X e-4ORCE エクストリーマーX:426万300円
AUTECH e-4ORCE:459万8000円

並みいる強豪に勝てるか?

初代エクストレイルは2000年に登場し、本格派オフローダーのようなスタイリングながら、乗用車ベースで運転がしやすく、また200万円から買える手頃な価格もあってヒット作となった。2007年に登場した2代目も、その路線を継承して手堅い販売をキープした。

先代となる3代目では、SUVが主流となりつつある市場をリードすべく都会的なデザインに変更。プロパイロットやハイブリッドなどの新基準を追加し、日産の屋台骨の1つとして堅実に販売を重ねてきたが、並みいる強豪の中で存在感は少々希薄だったといえる。

左から初代、2代目、3代目「エクストレイル」(写真:日産自動車)

そんな中で生まれてきた4代目は、初代から3代目までのヒット要因を凝縮し、さらにVCターボと組み合わせたe-POWERやe-4ORCEにより、見た目だけでなく走りの上質さも磨き上げてきた。

トヨタ「ハリアー」や「RAV4」、マツダ「CX-5」「CX-60」、そして秋に発売が予定されているホンダ「ZR-V」……とこのクラスのSUVは、国内メーカーだけを見ても実力派ぞろいだ。そんな中に、新たな個性派が加わって選択肢が増えたことはユーザーとしてうれしいし、市場としておもしろくなることも間違いない。

子育てを終えた中高年世代を中心に、今やミニバンから乗り換えるユーザーも多いSUVの中で、新型エクストレイルはどれだけ存在感を示すことができるだろうか。半年後、1年後の“SUV勢力図”を、大きく塗り替える存在になっている可能性もありそうだ。

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木谷 宗義 自動車編集者

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きたに むねよし / Muneyoshi Kitani

1981年、神奈川県生まれ。大学卒業後、専門学校で編集を学び、2006年よりフリーランスの編集者/ライターとしてキャリアをスタート。取材・執筆、編集、ディレクション業務のほか、当初よりメディア運営に携わる。現在は自動車編集者として、初心者向けからマニア向けまで幅広く自動車コンテンツの制作やプロデュースを行う。type-e.inc代表取締役。

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