医師が警告!急増「社会的時差ボケ」の根深い問題 健診でも放置されるケースがほとんどな理由
不調の原因として特に増えているのが「社会的時差ボケ」です。 これは体内時計により遺伝子レベルで刻み込まれている「体内の時間割」と、実際の行動がズレることで引き起こります。
最適な時間割を決める「時計遺伝子」
早寝早起きをはじめ、規則正しい生活が健康のためにいちばんよいというのは、よくいわれることですが、この「規則正しい時間割」は、仕事や世の中の都合などの、社会的な決め事ではなく、「遺伝子」によって決められています。
人間の体は約60兆個の細胞からできており、それらの細胞核には22本2組の常染色体と2本の性染色体が入っています。
染色体には約2万2000個の遺伝子があって、その中の「時計遺伝子」が最適な時間割を決めています。人の遺伝子上には、時計遺伝子が20種類以上存在し、それぞれの時計遺伝子が生まれてから死ぬまで細胞内で仕事を続け、体内の時を刻むようにプログラミングされているのです。
しかも、ハーバード大学医学部の同僚で友人のチャールズ・サイズラー教授の研究で、人の体内時計は、1日に24時間11分のリズムを刻んでいることがわかっています。そもそも11分間のズレがあります。
すべての細胞に時計遺伝子があり、時間割を決定づけているということは、それだけ時間割のもつ意味が人体にとって重要だということです。「食事」「睡眠」「運動」「仕事」など生活の中のすべての活動は、行う時間帯によって効果効率や意味が違ってきます。
同じ7時間の睡眠時間であっても、「0時に寝て7時に起きる」のと「深夜3時に寝て10時に起きる」のでは、睡眠の質も、それに伴う全身の細胞の再生力も変わってきます。
また、おやつを食べたいと思ったときに、15時に食べるのと、21時に食べるのでは、同じものを食べたとしても、体脂肪になりやすいか、なりにくいかが変わります。わずか6時間の時間差で、違いが出てくるのです。
もちろんそれが1日だけのことであれば、大した差にはなりません。それが習慣化し毎日のこととして積み重なってくると、問題が起こるのです。このように、あらゆる行動・活動に、最適な時間割は存在しています。
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