ネイルサロン経営者3人が味わったこの2年の苦悶 売り上げ激減、時短、閉店を経て乗り越えてきた

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2020年はピンチだったが、何とか、売り上げは前年度比で3%増という結果になった。

「翌年の2021年は、1月からの2回目となる緊急事態宣言が出され、人の動きは止まったままでした。やはり求人をかけてもなかなか応募が集まらないのが悩みでしたね。店舗にはお客様が戻ってきてくださったのですが、スタッフが足りないせいで、全店舗で月70~80件はお断りをしている状況。さらに、(2021年)7~8月はコロナ感染者数が急増し、緊急事態宣言やその延長などもあったため、売り上げは大打撃でした」

それでも「お客様を大切にする」を徹底することで、2021年の売り上げは前年度比の106%増となった。

2022年の現在はどうか。

「2022年に入ってからはありがたいことに売り上げ自体は回復し、コロナ前に比べても3%くらいは上回っています。しかし、スタッフ数はいまだに足りず、ご予約を受けられないお客様が月に100件以上ある状況です。ここは今後も課題です」

また、ここまでのコロナ禍では、お客様とスタッフにたくさん助けられた。

スタッフの生活を支えているという意志と責任感

「私はお客様とスタッフに育てられたと思います。だから、今後もニーズがあるならしっかりと応えていきたい。理念の『人はまわりの人たちの笑顔で幸せになる』を大切に、さらにお客様に喜んでいただけるよう、努力を続けていきます」

今回ネイルサロン経営者3名に取材をしたが、皆が口をそろえて言うのは「いくらピンチでも、落ち込んでいる暇などない」ということ。ある方は「落ち込むなんて、ヒマ人のすることだ」とも教えてくれた。

また共通していたのは、それぞれがスタッフを抱えていることもあり、「スタッフの生活を支えなくてはならない」という強い意志と責任感だ。その心が、コロナ禍という最悪な状況でも、何とか解決の糸口を見出し、売り上げを回復させている。

現在、コロナの感染者がまた急増しており、第7波に入った。経営者はさらなる戦いの日々になるかもしれない。しかし、新たにコロナが蔓延しても、きっと屈することはないだろう。

斉藤 カオリ 女子ライフジャーナリスト、コラムニスト

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さいとう かおり / Kaori Saito

神奈川県出身、2000年桐朋学園芸術短期大学 演劇専攻卒。合同会社ジョアパルフェ代表。舞台女優、歯科衛生士の仕事を経てフリーライター・エディターに転身し、日経womanなど複数の女性誌や週刊誌、Webで執筆。その中で、働くママ向け媒体制作で出合った500人以上のシングルマザーの苦悩・本音に大きく心を揺さぶられ、現在も独自に取材を継続。『女性の自立と生きがい』を応援する事業も行う。3児の母でもある。
https://saito-kaori.com/

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