ネイルサロン経営者3人が味わったこの2年の苦悶 売り上げ激減、時短、閉店を経て乗り越えてきた

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新規の銀座7丁目店も、お客様はなかなか来ないし、求人も集まらない状況だった。仕方なく、6名で2店舗を回すようにした。その後、少しずつ客足がのびて黒字になるも、1店舗目の損失があるため、当たり前のように月々の売り上げはマイナスだった。

「マズイな、と思っていましたが、落ち込むヒマはなかったです。『店を潰すわけにはいかない』『でも、コレをやればいい、という得策もない』という状況。もともと自分はネイルの技術者目線でネイルサロンを始めたので、経営者目線で動けていなかった。売り上げが上がらないとき、どうすればいいのかわからなかったです」

そんな中、たまたまインスタ広告で流れていた経営塾が目に留まった。

「このままではどうにもならないと考え、ビジネスを学んだほうがいいのでは、と思ったんです。でも、そのときは資金にまったく余裕がない状況。経営塾は1年間、費用は50万円でした。ものすごく悩んだんですが、もうやるしかない、と飛び込んだんです」

経営塾での学びを生かした

2021年6月に経営塾に入塾、学びは1年間。参加者はみんなコロナで大変な状況だったため、真剣だ。

「塾で学んでいる最中に、2店舗目はコンセプトを変えました。『自爪に負担のない施術で、美しいフォルム』を目指し、価格も2000円ほど単価を上げたんです。1店舗目はただ安いだけで、あまり差別化ができていませんでした。そのまま2店舗目に引き継いでいたらダメになっていたと思います」

ギリギリの状況が好転してきた。死ぬ気で学んだことを生かせるようになっていた。求人の打ち方や広告の出し方も変え、少しずつ回るようになっていった。

2021年10月には埼玉・浦和店をオープン。新人スタッフを7人採用できた。バタバタだったが、4カ月で軌道にのってきて、12月からは売り上げが安定をし始めている。

「スタッフの研修を強化しました。接客はもちろん、ネイルによる知識を教え込み、それをセールストークに入れ込むことも。また、他店ではやらないようなジェルの見せ方、売り方を研究し、工夫し続けています」

そして2022年、ひと月に2店舗で約590人が来店するなど、両店舗ともにいい数字を打ち出している。稼働率90%、残席数は3%、利益率も15~18%と順調だ。今年中には銀座に、新店舗をオープンする予定もある。

「これからも、主婦やOL、メンズを問わずに高い技術を提供していきます。自爪を健やかに保てるネイルで、お客様に満足してもらえるよう、しっかり努力を続けます。今後、またコロナが蔓延したら、人件費をできるだけ抑えつつ……、頑張っていくしかないですね」

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