「遺体画像」を見せる授業、なぜ問題なのか 教師は年齢に応じた許容範囲を認識すべき
名古屋市の市立小学校で、20代の女性教諭が授業中、過激派組織「イスラム国」に殺害された日本人男性とみられる「遺体画像」を児童に見せていたことがわかり、問題となっている。市教育委員会は2月5日、「不適切だった」と謝罪した。
市教委によると、教諭は2月3日、5年生の社会科の授業で、人質となった湯川遥菜さんとみられる男性の遺体写真の画像と、後藤健二さんとみられる男性が、覆面姿の人物の隣でひざまづく画像の計2枚を見せた。
子どもに見せるのは、なぜ不適切?
画像は、「イスラム国」が公開したとみられる動画を切り取ったもので、ぼかしなどの修正はされていなかった。教諭が事前に「見たくない人は見なくていい」と話したところ、児童35人のうち3~5人が顔を伏せたという。
教諭は、報道のあり方や命の大切さを考えさせるために画像を見せたと説明しているという。市教委は「今後、同校に指導する」と説明。校長は「子どもに見せたのは不適切だった」と話しているそうだ。
子どもの教育にくわしい専門家は、今回の件をどう見るのか。学習塾での勤務経験があり、教育問題にくわしい多田猛弁護士と、子どものいじめや自殺問題について精力的に取材しているフリーライターの渋井哲也氏に意見を聞いた。