成熟した日本の生保市場でも成長余地はまだある--メットライフCEO C・ロバート・ヘンリクソン

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


──中国やインドなどの保険マーケットをどう見ていますか。

中国とインドは、急成長している巨大な国という点以外では、かなり異なるマーケットといえる。たとえば、中国は地域ごとに免許を取らなければならないし、インドでは合弁の株式持ち分が26%までといった出資制限がある。

中国では、メットライフはすでに数年間ビジネスを行ってきた経験があり、拡大路線をひた走っている。今後どれだけ投資していくか次第だが、収益性はさらに上がっていくだろう。買収したアリコの人材には、通信販売ビジネスに長けている人たちがおり、中国ではこの分野をさらに伸ばしていけそうだ。現在、中国には二つの合弁会社があり、中国当局とも相談のうえ、これを一つにまとめる方向だ。

一方、インドでは出資比率の制限がある分、難しいところもある。ただ急成長していることと、質の高い営業チャネルがあることは魅力で、チャンスも大きい。そのほか、ブラジルにはもともと進出していたし、アリコの買収でロシアにも足場ができた。これで、BRICsすべてに進出したことになる。

──今後もM&Aによる拡大路線は続きますか。

メットライフの中には、非常に優秀なM&Aのチームがあり、つねに、市場でどういうことが起きているのか、どういうチャンスがあるのかを考えている。とはいえ、このチームを「働かせる」ためだけに買収を考えることはしない。

ただ、将来的にM&Aをしないという理由はなく、戦略あるいは目的に合致するものであれば、考えていきたい。ROEを高めていくためのM&Aということが大事だろう。

その際、必ずしも会社を丸ごと一つ買うとは限らない。一部の事業、一つの商品ラインを買うということもありうる。買収する、しないは別にして、メットライフはこれだけの規模を持ち、いろいろな市場で事業を展開しているので、投資銀行からもつねに多くの提案は来ている。

(聞き手:木村秀哉 撮影:大塚一仁 =週刊東洋経済2011年3月12日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

C. Robert Henrikson
米国ペンシルベニア大学で学士号、同エモリー大学スクール・オブ・ローで法務博士号を取得。2006年からメットライフの会長、社長兼CEO(現任)。10年7月には米国における国際貿易に関する主要な国家諮問委員会である、大統領輸出評議会のメンバーに選ばれる。米国生命保険協会の前会長。

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事