成熟した日本の生保市場でも成長余地はまだある--メットライフCEO C・ロバート・ヘンリクソン

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米国内だけの展開ではトップの座も危うい

──日本市場以外の海外戦略についてはどうですか。

米国内でメットライフは長い歴史を持ち、最も大きな生命保険会社として活動してきた。2年ほど前、アリコを買収する前には、国際ビジネスも伸ばしていこうということで、12年末までに、売り上げの20%以上を米国外のマーケットから得られるようにしたいと考えた。

その理由はいくつかある。まず、いろいろな国からアイデアを吸収して多様性を持つことで、さらに強くなると考えたこと。次に、米国内だけにとどまっていては、おのずと足を引っ張られてしまい、国内トップの地位も維持できなくなるのではないか、と考えたことだ。

アリコを買収したことによって、この国際戦略はさらに多様性を増している。今後、米国以外での売上比率は40%以上になっていくだろう。それだけメットライフに多様性が加わることになり、リスクプロファイル(リスクの構成要素)が分散、つまりリスクが小さくなっていく。

われわれは、あくまでグローバルな会社になることを目指している。米国と日本では強みを持つが、そのほかの新しいマーケットにも足場を築いていきたい。

現在、投資家の間では、もしグローバルな生命保険会社に投資するなら、メットライフが一番だと考えられている。ただ、われわれは単に国際ビジネスをやっているということだけに満足しているわけではない。多様性があり、国際的な強さがあり、グローバルな存在感のある会社になることが目標だ。

米国は急成長している市場ではないが、その中でメットライフは企業として成長を遂げてきた。契約者だけでなく、株主に対しても大きな利益をもたらしたと自負している。

今回、アリコを買収したことにより、日本という成熟したマーケットでも、さらなる成長の機会をとらえることができると考えている。さらに、中東など成長の速い市場にも足場を築くことができた。「すでに発展した市場」「発展しつつある市場」「これから発展の戸口に立とうしている市場」の間でバランスよく成長していくことができるだろう。
M&AはROEを重視 投資銀行から提案続々

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