成熟した日本の生保市場でも成長余地はまだある--メットライフCEO C・ロバート・ヘンリクソン
顧客ニーズ解決が基本 新商品の連発はしない
--リーマンショック以降、一部の外資の撤退などにより、特に変額年金については銀行窓販などの販売姿勢に変化が見られます。
ある特定の保険会社が変額年金でトラブルを起こしたが、それは率直に言って、リスク管理をきちっとしていなかったから。保険会社はお客様との約束は必ず守らなくてはならない。そこで重要なのがリスク管理であり、リスクヘッジだ。
われわれはマーケットが上昇するか下降するか、どちらかに大きく懸けるような商品やサービスを提供することはない。また契約者にその分のリスクを背負わせるようなこともしない。あくまで約束を守るのが、保険会社の義務だ。
お客様にはさまざまなニーズがあり、いろいろな問題を抱えているわけだから、そのソリューションが基本となる。そのための商品やサービス、販売手段をいくつも持つべきだと考えている。
アドバイスが欲しいと思っている人に対して、どのようなステップを踏んでソリューションを提供していくのか。そのプロセスの中で、いくつかある商品やサービスの中から、そのお客様のニーズに合ったものを提供するべきだ。だから、われわれは次から次へと新商品を出すようなことはしない。
メットライフがアリコを買収したことは、日本の消費者にとって非常に魅力的なことだろう。すでにアリコは長い歴史の中、日本市場で高い評価を得ている。メットライフも米国、南米などで、商品・サービスの革新性について評価を高めてきた。
2008年の金融危機のさなかには『フォーブス』誌が、メットライフを米国で最もマネジメントの行き届いた保険会社(Best managed insurance company)、つまりリスク管理、リスクマネジメントが非常に優れていると評価している。
アリコが日本で得てきた評価に、メットライフが持つ財務力とリスク管理力が加わるわけだから、爆発的な力が発揮できるはずだ。