人権弾圧のミャンマーにJICA専門家派遣の是非 内部文書で判明、国軍の宣伝に悪用の恐れも

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東京・千代田区にあるJICA本部が入るビル(記者撮影)

日本のODA(政府開発援助)を担う独立行政法人の国際協力機構(JICA)が、農業やインフラ整備などの技術協力に関わる専門家を7月中旬以降、ミャンマーに順次派遣する方針であることがわかった。JICAは人数を明らかにしていないが、数十人規模とみられる。

渡航要請を受けた専門家から、「安全が担保されていないのではないか」「専門家の本格的な派遣はクーデター政権の容認につながりかねない」との疑問の声が挙がっている。

渡航制限を見直し、専門家を再派遣

ミャンマーでは2021年2月に軍事クーデターが発生し、それからしばらくしてJICAは専門家を一時帰国させていた。その後、ミャンマー国軍はクーデターに反対する市民への弾圧をエスカレートさせており、少数民族の居住地区への空爆や市民の逮捕・拘束や殺害も相次いでいる。

そうした中、JICAはミャンマーへの渡航制限を見直し、専門家を再び派遣する方針を6月に決定した。6月24日には専門家を対象としたオンライン形式での説明会が開かれ、専門家の再渡航を速やかに進めることが専門家に伝えられた。

同説明会でJICAが示した内容は、「任地は最大都市ヤンゴンに限定し、首都ネピドーでの業務は当面、短期滞在の出張で対応すること。また、地方への渡航は一部の地域を除いて原則として禁止し、不要不急の夜間外出を避けること」などだった。

JICAは4月中旬に日本から専門の調査団を派遣して現地の安全状況を調査している。しかし、6月24日の説明会では「派遣本格化の前提であるはずの治安や人権状況に関する詳しい説明はなかった」(参加者)という。

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