「スマホをいじってばかりの人」のあごが危険な訳 長期のマスク生活で顎関節症に気づかないことも

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そして、コロナ禍になり顎関節症急増の原因の一つとして指摘されているのが「スマホの長時間使用」。正しい姿勢の場合の下顎は、頭の真下に位置しているのであごはリラックスした状態です。しかしスマホを操作するうちに猫背になり、下顎は頭の前方にくるので、関節の骨が前にズレてしまい顎の負担が増えます。

これまでコップから水があふれなかった人も、スマホの長時間使用でコップに新たな水(負担)注がれたことによってあふれたために顎関節症が発症するのです。

「スリーフィンガー法」で簡単セルフチャック!

顎関節症は発症してから2週間以内に治療を開始するとすぐに治るので、症状が出たら3日以内の受診をお勧めしていますが、前述のようにマスク生活では自覚が困難です。そこで誰でも簡単にあごの痛みと動きをセルフチェックする「スリーフィンガー法」をご紹介します。

人差し指1本を「ワンフィンガー」、人差し指と中指の2本を「ツーフィンガー」、さらに薬指を合わせて「スリーフィンガー」として、これを縦にして口に入れて、あごの関節や周囲の筋肉の痛みとあごの動き具合を確認します。

痛みや顎の動きが悪く「ワンフィンガー」も入らないときは、顎関節症より重い病気になっていることも考えられます。「ツーフィンガー」が入らない場合は急性(最近なった)顎関節症で、「スリーフィンガー」が入らないと知らないうちに顎関節症になっていてすでに慢性化しています。つまり「スリーフィンガー」が入らない人は顎関節の治療が必要な可能性があります。

また左右のあごの関節の動きのバランスを確認する方法もあります。鏡の前でゆっくりと大きな口を開けてみて口の動きを観察してください。口がまっすぐ一直線で開くと、左右のあごの関節は良いバランスですが、左右のどちらかに歪んで開いたり、左右に揺れながら開いたりすると、バランスが崩れています。バランスが悪い人は、歯科医院で一度状態を診てもらいましょう。

次ページ治療には歯科医師と患者さんの二人三脚が必要なワケ
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