ディズニー大転換「入園者数引き下げ」戦略の背景 昨年就任の吉田社長が明かすパークの課題とは
実際、コロナ禍になって制限すると、ゲストの皆様が自由に使える時間が増え、アトラクション体験やエンターテインメントの鑑賞、商品の購入、飲食などが効果的に働いた。その結果、パークの「体験価値」が非常に上がった。上限を引き下げることで満足度を高め、違った体験価値を提供できると考えている。
一方で平日などは入園者数を底上げし、平準化する。この両輪を回すことで、パークの環境を維持しつつ多くのゲストをお迎えできる。この形がこれからの社会、われわれのビジネスにとって大事という判断だ。
入園者数は10年以上前の水準に戻す
――2025年3月期の入園者数は「2600万人レベル」としており、10年以上前の水準に戻ることになります。
これまでは増え続ける需要に対して拡張し、効率化を図ることで対応してきたが、キャパシティを広げるためだけに拡張を続けることは望ましいのかと。拡張には人員確保も必要だし、さらなる投資も必要になる。
5年後、10年後、その先を考えたときに、持続的な成長をしていくうえで課題があった。もちろん、今後もリゾートへの投資は続ける。現本社の土地についても開発しないと宣言しているわけではない。必要なら拡張を視野に入れてやっていく。
ゲストからはいろいろな声をいただくが、制限によって待ち時間が短くなることが想定できるので、好意的に受け取られている方が多い。株主からは「収益的、財務的に大丈夫か」との声もあるが、おおむね理解いただいている。
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