ディズニー大転換「入園者数引き下げ」戦略の背景 昨年就任の吉田社長が明かすパークの課題とは

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――今後3年間で具体的な上限の人数を模索していく方針です。どんな点がポイントになりますか?

ゲストがどんな満足度なのか、つねに調査を行っている。毎日の来園者調査(エントランス付近で実施、eチケット購入者にメールで質問を送る形式)から定期的な調査、社内の施策を検討するための調査も行っている。

そうした過去の数字から「このくらいの入園者数なら満足度はさらに高まる」という想定がある。パークは生き物に近いものがあるので、それが正しいかはわからないが。ディズニーシーは2023年度に新エリア「ファンタジースプリングス」が開業すればキャパシティが上がる。それも含めて、今後3年間で見極めていく。

アメリカのディズニーとは、東京ではこんな施策を行っているなど、情報交換はつねにしている。アメリカも休園を経て、再開後は入園者数を制限するなど、同じようなステップを踏んできた。上限の引き下げについても異論はなかった。満足度を重視しているのは東京だけではないので。

――単価引き上げを重視する一方で、足元では子供料金を半額にする夏場のキャンペーンを実施しています。狙いは?

報道されているほど皆さんが活発に動かれているかというと、そうではなく、まだ安心できない状況だ。ただ、小さなお子様連れの家族などはもっとお迎えしたい。3年ぶりの行動制限のない夏にはこうした施策が必要だろうと。子供料金の半額キャンペーンは震災後にも実施して非常に好評だった。

7月に販売を開始した「ウィークナイトパスポート」(平日17時以降に入園)や「アーリーイブニングパスポート」(休日15時以降に入園)も、短時間で楽しんでいただけるニーズが出てきたということで投入したものだ。

2023年度開業新エリアのポイント

――2023年度開業予定のファンタジースプリングスではどんな体験ができますか?

『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』の大型アトラクションが3つ入る。レストランも3つ、商品店舗はホテルの中に入る。ホテルはシーの「ホテルミラコスタ」と同じようにパーク一体型で、客室はデラックスタイプとラグジュアリータイプがある。最上級のラグジュアリーは50室弱(全475室)だ。

非常に大きな敷地で、中を回遊していただくだけでも楽しめる。ロックワーク(擬岩)がふんだんに使われていて、それぞれのエリアでロックワークを楽しんでいただく。開業によってキャパシティが上がり、体験価値も上げられる。開業時にコロナが収束していることを祈るばかりだ。

――日帰りも多い立地ですが、より滞在型のリゾートを目指す中、宿泊するゲストをどう増やすのでしょうか。

4月に「トイ・ストーリーホテル」が完成し、2023年度にはファンタジースプリングスのホテルも開業する。可能な限りリゾートに泊まって両パークを満喫していただきたい。

「イクスピアリ」もそうだし、「舞浜アンフィシアター」も10月からは劇団四季の『美女と野獣』のミュージカルが始まる。リゾート全体でお楽しみいただきたい。これからはインバウンドも戻ってくる。パークとホテルの連携が今まで以上に重要になるだろう。

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