新卒一括採用が「日本人に植えつけた」残念な悪癖 世界が求める悪ガキは「自分の喜び」優先で働く
「自分の人生の舵を他人に渡さない生き方」とは、自分の人生を自分で切り開き、自分の力で生きるということにほかなりません。その最たるものが「働くこと」です。
働くということは、自分の生活の糧を得たり、社会に貢献することですが、「悪ガキ」はそれ以上に「自分を喜ばせること」を大切にするという特徴を持っています。
高尚なビジネス書をひもとくと、多くの本では「社会に貢献しろ」と、人の幸せのために働くことの徳が述べられていることが多いようです。しかし「悪ガキ」タイプの成功者の場合、自身で気がついているか否かはハッキリはしませんが、「自分を喜ばせる」ことを最優先しているように見受けられます。
アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏はスマートフォンを生み出し、世の中の人々の生活を一変させるという偉業を成し遂げましたが、彼が他人への思いやりに満ちていたかというと、そんな様子はまったく見受けられません。むしろ、自分の思いを遂げるために、一緒に働く人を振り回しまくった逸話だけが伝わってきます。
ジョブズ氏のように自身のやりたいことをとことん追求し、想像を絶するほどの結果を出す。カリスマと呼ばれる「悪ガキ」リーダーのほとんどは、あくまでも「成功」という結果を礎に人間性が評価されるようになったのが実態なのです。
70歳を超えた悪ガキ、リチャード・ブランソン
イギリスのヴァージングループの創始者リチャード・ブランソン氏は、このように「自分を喜ばせる」ことに邁進した結果、カリスマとなった「悪ガキ」の典型例です。
彼は何よりも自分自身がワクワクすることしかやりません。しかもいったん始めると、徹底的にやる。この姿勢を貫き続けています。
彼はこの姿勢を貫くことによって、新しいレコードレーベルの立ち上げを手始めに、航空会社、新コーラの開発などを手掛け、大成功を収めています(リチャード・ブランソン氏の活躍については拙書『世界は悪ガキを求めている』で詳しく紹介していますので、ご参照ください)。
これらの成功を収めた結果、ブランソン氏はイギリス国民から愛されるのみならず、時のサッチャー首相からも称賛を浴び、ダイアナ皇太子妃をはじめ王室とも親しく交わり、イギリスの英雄となりました。
しかし、彼自身はこのように世間の評価が上がったことに対してはさほど気にする様子もなく、相変わらず自身のやりたいことに邁進しています。事実、女王からSirの称号を受けた後も、ヴァージン・ギャランティックを通じて宇宙への夢を追う活動などを積極的に進めました。
彼はおそらく、熱気球で世界一周をしたときの興奮を忘れられないのでしょう。70歳を超えた今でも、彼の冒険心が衰える様子はまったく見られません。
「悪ガキ」に年齢は関係ありません。彼こそ、いまを生きる私たちが学びたい模範的な「悪ガキ」だと言えるのです。
(構成:小関敦之)
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