英「ジョンソン首相」身内の裏切り招いた問題思考 相次ぐスキャンダルに閣僚等約60人が辞任宣言

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あまりにも「身びいきすぎる」と保守党内からも批判が出て、結局は見直しをあきらめた。パターソン議員は、昨年11月、議員を辞職している。

あるパターンが見えてくる。

ジョンソン首相は法律や規制が自分には当てはまらず、無視してもかまわないと思っている、ということだ。ピンチャー氏の例のように、痴漢行為を働く人物であっても、パターソン議員のように議員規則を違反していても、自分に親しい人物だったら支持し続ける。ロックダウン中であっても、パーティー開催をしても「問題なし」と考える。

スターマー労働党首などの指摘によると、ジョンソン首相はピンチャー事件に言及して、「ピンチャーはピンチャーだよな、名前の通りだよ」とジョークを飛ばしたそうだ。「ピンチャー(pincher)」とは、「つまむ人」を意味し、ピンチャー議員が保守党議員のたまり場の1つ「カールトン・クラブ」で男性客2人の身体をまさぐったことを暗示している。

首相の尻拭いに追われた閣僚たち

何事もジョークで笑い飛ばすジョンソン氏は親しみやすさを感じさせ、その人気の理由になってきたが、ピンチャー氏に体を触られた人にとっては、決してジョークには聞こえないだろう。ジョンソン氏は痴漢行為も含む性的犯罪の深刻さを重要視していないように見えてしまう。ちなみに、首相自身はこの表現を使ったことを否定していない。

ピンチャー氏のカールトン・クラブでの行動が大衆紙サンに報道されると、複数の閣僚がメディアに出演し、「首相は知らなかった」と弁護した。しかし、後に首相自身が3年前に報告を受け、これを認めたため、一連の弁護は徒労に終わった。

規則を軽視し、身びいき人事を行うジョンソン氏は首相に足る人物なのか。閣僚も含め、保守党内の懸念は強まるばかりとなった。

保守党議員らの疑念は6月6日、保守党所属の下院議員にジョンソン氏を党首として信任するのか、しないのかを問う投票にまで発展した。結果は359票中信任が211票で不信任が148票。過半数(180人)が不信任であれば、首相は党首と首相の座を失い、後任を決める党首選が実施されるはずだった。

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