アメリカの「景気後退懸念」はかなり行きすぎだ 「かど」がとれれば今後の株価も丸く収まる?

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アメリカでは景気後退懸念が急速に台頭、株価の上値が重い。市場は心配しすぎているのだろうか(写真:ブルームバーグ)

足元では、日本やアメリカなど主要先進国の株価指数は直近の底値を割り込むまでには至っていないものの、軒並み上値が重く、低迷状態にある。ただし、それは市場全体を表す指数についてであって、業種別の指数では、アメリカのSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)のように、底割れしているものも見受けられる。

アメリカ経済減速は鮮明でも景気後退は「行きすぎ」?

そうした株価低迷の背景として、とくにアメリカの株式市場では、景気と企業収益の急激な悪化を懸念しているといわれる。確かに先週は、同国の景気減速を示唆する経済指標が相次いだ。

例えば、有力調査機関であるコンファレンスボードの消費者信頼感指数(6月28日)は、5月分が106.4から103.2に下方修正されたうえ、6月が98.7とさらに低下した。また個人消費前月比(6月30日)は、4月が0.9%増から0.6%増に下方修正され、5月は0.2%増と伸び悩んだ。さらにISM(サプライマネジメント協会)製造業景況感指数(7月1日)は、5月の56.1から6月は53.0に低下した。

とはいっても、上記で挙げた統計に限っても、個人消費は対前月で今のところまだ増えているし、ISM製造業指数も好不況の分岐点とされる50の水準は上回ったままだ。今すぐ景気後退が進行すると騒ぐのは、時期尚早と感じられる。

同国における、GDP統計で測った実質経済成長率(前期比年率ベース)については、今年1~3月期が1.6%減となった。さらに、アトランタ地区連銀が数理モデルを用いて月次統計からGDPの予想を算出している(GDPNowと呼ばれる)が、その直近7月1日時点での予想値によれば、4~6月期も2.1%減と、2期連続のマイナス成長(景気後退)が見込まれている。

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