日本株がアメリカ株よりも底堅い「3つの理由」 ドル高円安だけではない株価の上昇要因とは?

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衆議院で説明をする日銀の黒田東彦総裁。日本株が底堅いのは、円安効果だけではないようだ(写真:ブルームバーグ)

日本株が粘り強さを発揮している。年初来の株価パフォーマンスはS&P500種指数がマイナス12.4%、NASDAQ総合指数がマイナス21.3%(6月2日終値)と大幅な下落であるのに対して、日経平均株価はマイナス3.6%(3日終値)と持ちこたえている。とくに、4月以降は日本株の相対的優位が目立っている。筆者はその背景に以下の3つの要因があるとみている。

日本の直近の輸出金額に注目

(1)円安による日本企業の収益押し上げ期待、(2)上向きに転じている日本のマクロファンダメンタルズの方向感、そして(3)先進国でほぼ唯一、中央銀行が緩和姿勢を維持、むしろ強化している点である。

まず円安については、日銀の黒田東彦総裁が「円安は日本経済にとってプラス」との見解を固持している反面、輸入物価の押し上げを通じて個人消費を圧迫するとの指摘が多く、そのプラス効果に疑問が持たれており、マクロ的な評価は難しい。

しかしながら、筆者は、評価の対象を「日本株」に限定すればプラスである可能性が高いと考えている。それは取りも直さず、大企業・製造業が円安の恩恵を受けやすいからである。GDPに占める製造業のウェイトが2割に過ぎないいっぽう、製造業は日本株の約6割を占める。言うまでもなく、株価指数は大企業の集合体であるから、大企業製造業に偏重した株価指数に円安の恩恵が強く発現する可能性は高い。

そうした見方を裏付ける材料として、日本の輸出金額に注目したい。リーマショック後の長引く輸出停滞で「日本企業は海外に工場を移したから円安でも輸出は増えない」との見方が定着したが、実のところ輸出金額は過去最高を更新している。5月19日に発表された4月の貿易統計によると、輸出金額(季節調整値)は前月比プラス1.0%、7兆6295億円と過去最高を記録した。原数値(季節調整前)の水準は過去2位、4月としては1位であった。

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