なぜ「円安は日経平均に追い風」と言い切れるのか アメリカがインフレ警戒を緩める条件とは?

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1ドル=129円台どころか「長期なら円安はもっと進む」とも言われる。だが当面の日経平均にはプラスと言い切れるかもしれない(写真:つのだよしお/アフロ)

世界のマーケットを展望するうえで現在注視すべきは、(1)アメリカのインフレ動向と、それを踏まえた(2)FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の金融政策である。そのうえで日本株に焦点を合わせるなら、(3)半導体市況と(4)最近の円安をどう判断するか、この4つが重要と考えられる。順に見ていこう。

アメリカのインフレはピークを越えた?

アメリカのインフレはいつ落ちつくのか。まずはサプライチェーンの動向をチェックしたい。

3月までのデータ(主に企業サーベイ)は、製品や部品の納入にかかった時間を示すサプライヤー納期を示す指標が改善し、そうした下で販売価格を引き上げる動きが一服しつつある様子が映し出されていた。そうした傾向は4月も続いたもようだ。

速報性に優れた4月ニューヨーク連銀製造業景況指数は、サプライチェーン問題の緩和によって生産活動が勢いを取り戻しつつある可能性を示唆した。サプライヤーの納期(プラス32.7→プラス21.8)が大幅に短縮したことで、生産(マイナス7.4→プラス34.5)と新規受注(マイナス11.2→プラス25.1)が大幅に改善した。ヘッドラインに関してはプラス24.6へと、3月のマイナス11.8から大幅に上昇した。

また同時に販売価格(プラス56.1→プラス49.1)も低下し、値上げの波が一服しつつあることを示唆した。こうした傾向は、4月21日に発表されたフィラデルフィア連銀の調査も同様であった。

サプライチェーンの回復は自動車生産の増加につながり、それは中古車価格の低下を通じて全体のインフレ率を下押しすると期待される。その点、3月時点でサプライチェーン問題はある程度の回復を示していたことは認識しておく必要があるだろう。

同国の鉱工業生産によると、3月の製造業生産は前月比プラス0.9%とはっきりと増加し、自動車(含む部品)生産はプラス7.8%と大幅な増産であった。そうした中で、輸送用機械の設備稼働率は73.6%と低水準ながらもパンデミック発生後では最高点に到達。自動車の生産水準はなお抑制された状態にあり、総需要を満たせずにいるものの、着実に水準を切り上げている。

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