「日本株はウクライナ長期化でも大底圏」と読む訳 「スタグフレーション懸念」はどの程度深刻か
前回の当コラム「日本株はこれで『最悪期脱出』と断言できるのか」では、「今後も株価の短期変動は激しく、投資家は方向感を失うだろう」が、「主要国の株価は3月頃にまだひと押しするだろう」と引き続き予想するとともに、その後は「株価は長期上昇基調に復しよう」と予測した。
これらの見解は、まったく変わっていない。そして、3月に入っての株価のひと押しが進んだため、日米など主要国の株価はすでに「大底圏」に達し、これからは上昇基調だと見込む。
主要国の株価は「大底圏」に達した
つまり、終値ベースでは、日経平均株価は3月9日の2万4717円、ニューヨーク(NY)ダウはその前日の8日の3万2632ドルが、最安値であったとの判断だ。もちろん、短期変動はこれからも激しく、目先はまだ安値を下回る可能性は残っている。それでも、深く割り込むとは予想していない。
筆者はこれまで当コラムで「2021年は株価が上昇し、2022年前半に大きく下落する局面があり、その後はまた上昇基調に復する」という見解を昨年からずっと語ってきた。筆者が同じことを繰り返し述べているだけなので、当コラムの読者はかなり退屈しているのではないかと申し訳なく感じる。
加えて、下値のメドについては、念仏のように「日経平均は2万5000円前後、NYダウは3万ドル前後」と唱え続けてきた。前述のように、終値ベースでは8日、9日におおむね最安値をつけたと見込むため、日経平均は目標値から300円幅ほど見通しを外した形となる。NYダウは想定より2000ドル強底値が浅い形で安値形成が終わったことになりそうだ。そうした下値予想値の誤りも、ここでお詫びを述べたい。
ちなみに、心優しい方々からは「馬渕さんは『2万5000円まで日経平均が下落する』と昨年の高値の時点からずっと唱えてきており、ほぼ正確に当たりましたね」との慰めのお言葉も多々いただいている。こうした方々の声を知って、「馬渕さんはこれまで相場見通しを当てたのだから、これからも当てるだろう」との期待を抱く方も多いようだ。
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