松田さん、「党員100万人」ってマジですか? "直接民主制"の勝算を松田公太議員に直撃

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一方、われわれは議員それぞれに個性があるという考え。重要なのは説明責任。北朝鮮に行くのは構わないが、どういう成果があるのか行く前と後で記者会見するなり対応すればいい。

国会議員が苦悩する姿を見せたい

――有権者は「政策的なまとまりがないのでは」と懸念を示している。ただ、ここまで話を聞いていると、「保守」「リベラル」のくくりというような旧来型の考え方と違うのか。

新党のコンセプトを語る松田代表。ちなみに事務所のコーヒーはタリーズだった。(筆者撮影、参院議員会館で)

党内でも内閣府時代に拉致問題を担当した井上さんは北朝鮮に厳しいスタンスなので猪木さんとしっかりと議論するでしょう。自民党の場合は、部会で議員が喧々諤々の議論をしているが、「ガス抜き」に終わりがちで、党が割れる印象を与えたくないので中の様子は見せない。しかしわれわれは議論の様子も重要課題についてはオープンにする。国会議員が苦しんでいる姿を見てもらいたいからだ。

――かつて選挙をお手伝いした元参院議員の鈴木寛さん(現文科相補佐官)は「政治家は51対49に民意が割れても判断をせねばならない」「トレードオフや矛盾に悩むもの」と語っていた。

そう思います。たとえば集団的自衛権。私は賛成だが、それは55%。45%は悩んでいる。それが真の国会議員の姿ではないか。しかし現実には、原発再稼働の国会論議などを見ていると結論ありきで自民党の若手議員などは本当に自分の考えを述べているのか疑問に思う。

われわれは「自由経済」や「小さな政府」、「新しい価値を作る経済」といった基本理念は共有した上で、国民投票の対象にする重要案件以外は党議拘束を撤廃する。補正予算審議から早速やるつもりだ。ただし、賛成、反対ともに各議員がその理由をきちんと説明する。将来的には予算審議も国民投票でやりたい。そのために特設サイトで予算をグラフでわかりやすく表示して投票に参加してもらう仕組みを構想している。

――ITやネットというのは方便であって、キーワードは「透明化」ということか。

ご指摘のとおり。どんどん透明化する。最終的には党議拘束を撤廃する考え方を参議院全体に広げ、本来の「良識の府」に立ち返るための参議院改革につなげていきたい。

【インタビューを終えて】
「車でいえばコンセプトカーのような存在の党」という私の例えに対し、松田代表は「なんとか“実車”まで普及させたい」と意気込んだ。投票率が低下し、民主主義の機能不全までささやかれる中、コンセプトパーティがどこまで存在感を見せるか興味深い。
しかし、ネットからリアルへの「動員の革命」を投票行動で起こすことは困難なことは私も数々の選挙で実感した。構想が新しすぎるのは否めず、そもそも5人の少数政党が政治をリアルに動かすのは容易ではない。5日にはスマホのアプリを使った党員投票の具体案を明らかにしたが、ネットとリアルを結ぶ「O2O」の流れをどう作るかも課題だ。
欧州ではネットを駆使し、直接民主制と間接民主制を補完しようとする政治勢力が相次いで誕生。ドイツ海賊党のように地方議会で議席を得た事例もあるが、リアルの政治で多数派を得るまでには至っていない。いまは実験色が目立つ元気会だが、まずはビジネスで培ったマーケティング手法で党勢を拡大できるかがカギになりそうだ。

 

新田 哲史 広報コンサルタント/コラムニスト

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にったてつじ

1975年生まれ。読売新聞記者(社会部、運動部等)、PR会社勤務を経て2013年独立。企業広報のアドバイス業務の傍ら、ブロガーとして「アゴラ」「ハフィントンポスト」にて評論活動を行う。2013年の参院選、14年の都知事選ではネット選挙案件を担当。東洋経済オンラインではネット選挙の記事を寄稿し、野球イノベーションの連載を企画した。

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