どうなる通勤手当…「地方移住派」が知るべき知識 出社を求めない会社が増えるなか考えたい4つ

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ただし、在宅勤務を予定していた日に会社から呼び出しがあり、急遽出社をしたようなケースは、その交通費を実費弁償として扱うことができ、社会保険の対象外にできることになっています。つまり、地方移住し出社の頻度は少ないものの、会社から支給される交通費が高くなれば、社会保険の基礎である標準報酬月額に影響が出てくるということです。

3.4~6月の交通費で毎月の手取りが変わる?

前述のとおり、たとえ業務交通費として実費で交通費が支給されるようになっても、もともとその日が出社を予定していた日であれば、交通費も社会保険の対象となってしまいます。そのため、交通費の金額が極端に高い、あるいは極端に低くなれば、社会保険料、給付のベースとなる標準報酬月額にも影響が出てくるわけです。

たとえば、あなたの月給が基本給等で28万円、通勤手当が毎月2万円支給されており、標準報酬月額が30万円だったとしましょう。地方移住し、週1回出勤し4、5、6月ともに各月7万円の交通費が実費で支給された場合は、標準報酬月額の等級が28万円から4等級上がり36万円となります。

健康保険料(協会けんぽ東京支部R4年度)は1万7658円-1万3734円=▲3924円、厚生年金保険料が3万2940円-2万5620円=▲7320円となるので、結果的に毎月の手取りが1万1244円減ってしまうことになります。

ちなみに、標準報酬月額は通常毎年1回、4月から6月に支払われる給与で計算され、10月分から翌年9月まで同じ標準報酬月額が適用されます。つまり、基本給など毎月固定で支払われる給与に変更がない限り、例え交通費が7月以降に少なくなっても原則見直されるわけではないのでご注意ください。

したがって、4月から6月の間に業務繁忙で出勤が続き、交通費が高額になってしまうと、原則1年間は社会保険料が高額になってしまうことになるので、4月から6月の出社はコントロールしておきたいところです。

4.標準報酬月額が上がることの損得

ところで、標準報酬月額が上がれば、保険料は高くなりますが、当然その分、給付金としてもらえる金額は多くなります。将来の年金はもちろんですが、健康保険の傷病手当金や出産手当金も多くもらえることになります。

傷病手当金は仕事以外の理由で怪我や病気となり、会社を休んで給与が支給されない期間に対して給付される所得保障です。意外と知らない方も多いので押さえておいたほうがいいでしょう。

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