キーエンス、"カリスマ会長"退任の影響度 平均年収1440万円、高収益体質を守れるか
「営業利益率50%」「社員の年収が日本一」――。各種生産設備向けFAセンサーなど計測制御機器の大手で、高収益企業の代表格としても知られるキーエンス。その創業者である滝崎武光会長が、会社設立40年目にして代表権を返上し、3月21日付で取締役名誉会長に退く。今後はグループ運営への助言やリーダー層の人材育成に従事するという。
滝崎氏は1972年にリード電機(現キーエンス)を創業し、1974年の株式会社改組により代表取締役社長に就任。2000年12月には当時、取締役でAPSULT事業部長を務めていた佐々木道夫氏(現取締役特別顧問)に社長の座を譲り、代表取締役会長に就いていた。
営業利益率は50%を超過
キーエンスは以前から利益率の高さで知られ、1987年の株式上場後はおおむね40%以上の営業利益率をたたき出してきた。特に2000年代に入ってからは、2004年3月期から2008年3月期まで5年にわたって営業利益率50%超を達成した。
その後、リーマンショックの余波で営業利益率は40%台に低下したが、今2015年3月期は7年ぶりに50%の大台に復帰する可能性が濃厚だ。また、特別損益や税金などを差し引いた後の純利益も、同社始まって以来となる1000億円の大台が迫っている。
同社の木村圭一・取締役経営情報室長は、こうした高収益の背景には「世界初・業界初など付加価値の高い新製品を出せる企画・開発力や、直販体制でコンサルティングセールスを行うことができる営業力、ファブレス(工場を持たず生産は委託)で自らは企画・開発に特化できることがある」と説明する。
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