業績急回復で見えてきたパワービルダー(低価格分譲戸建て会社)の課題

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 さらに販管費を抑え、売上高営業利益率では大手ハウスメーカーを上回る。さきの一建設の場合、前期の営業利益率は9・2%、アーネストワンは11・7%。一方、ミサワホームは2・5%。三井ホームは1・7%と低く、テレビCMや住宅展示場に配置する営業担当者など、重い販管費がうかがえる。

パワービルダーは用地購入、設計、施工、販売も独特だ。一建設の1棟当たりの原価管理ツール「プラン検索システム」では、これまでに蓄積した約1000件の設計パターンをデータ化。「よく使われる約10のパターンから建物の形状を決定すれば、原価が明確になる。あとは粗利率18%くらいを前提に用地価格を決める」(青柳秀樹取締役)。

施工段階でも、部材は「すべてプレカット。現場作業は組み立てるだけ。さらにくぎも頭を色分けしてどこに打つか簡単にわかる」(岡田・アーネストワン管理本部長)ようにする徹底ぶり。販売もすべて町の不動産会社など仲介業者に委託しており、宣伝広告も打たない。自社の営業担当者はもっぱら職人の管理や用地購入に専念する。

トレードオフ生まずにどこまで成長できるか

販売を委託される仲介業者は、売れば1棟当たり3%の手数料を稼げるので、どんどん情報を持ち込む。2500万円の物件なら75万円。「ちょうど広域にまく広告チラシと同額くらい」(青柳取締役)になる。

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