ベンチャー系カーリース4年間で10万人突破の訳 トヨタのサブスク「キント」を超えるユーザー数

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では、今後はどんな目標を持つのだろう。伊藤氏は、「早期に20万件の突破を目指したい」という。また、10万人は4年近くかかったが、それを各段に上まわるペースで拡充することも目標だという。

目標達成への施策としては、まず、半導体不足などによる新車の納期遅れに対応するため、現在行っている「即納車リースのサービスを拡充したい」という。これは、ディーラーに在庫があるモデルなどを対象に絞ることで、車種こそ限られるが納期に遅れが出ないというメリットがある。例えば、現在乗っているクルマの車検が近づいており、乗り換え時に廃車にする予定があるケースなど、時間的に納車を待てないユーザー向けのサービスといえる。また、新規サービスとしては、納車待ちに対する代車の手配サービスも検討中だ。

定額カルモくんの中古車リース(写真:ナイル)
定額カルモくんの中古車リース(写真:ナイル)

さらに同社では、「中古車リースのサービス拡充も図りたい」という。現在は、新車の納期遅れの影響で中古車の価格も高騰しており、とくに高年式の中古車は、安全装備などの充実もあって、あまり新車と価格が変わらない車体も多い。同社では、購入するよりも初期費用がかからないという自社サービスの強みを活かし、「妥協しない中古車選びを提案するため、新車同様、多くの取り扱い台数を保持していきたい」という。

電気自動車リースなどの展開は?

最後にトヨタが2022年5月に発売した新型BEV「bZ4X」を、一般ユーザー向けではキントのみでの取り扱いにしたことなど、BEVをサブスクやカーリースで扱うことについて、同社の考えを聞いてみた。

すると伊藤氏は、「比較的高価なハイブリッド車やBEVは、初期費用がかからず、より広いユーザーが利用できるという意味で、カーリース(サブスク)に向いていると思います。また、今後は、そうしたZEV(ゼロエミッションビークル)に、ユーザーの意識が徐々に向いていくことが想定できます。弊社は、現在も国産全メーカーのほぼ全車種を取り扱っていますが、今後も市場のニーズに合わせて取扱車種の多様性を確保していきたいと思っています。bZ4Xのようにキント専用でなければの話ですが(笑)。ただし、弊社にとって、最も大切なのはユーザーからの要望があるかどうかです。弊社は自動車メーカーではありませんので、新規車種の提案はできません。でも市場が求める車種を、できるだけ安く提供することはできます。ガソリン車であるのか、ハイブリッドやBEVであるのかが問題ではなく、ユーザーのニーズがあるか否かを最も重要視していくことは、これからも変わりません」という。

ますます激戦が予想されるクルマのサブスク、カーリースの業界。同社が大手自動車メーカーをはじめとする競合他社に対し、得意とするWEBマーケティングを駆使し、どのように闘っていくのかが今後も注目される。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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