福岡でゴルフのプロアマが障害者と実現できた訳 多様性を持つゴルフの良さを伝えられる機会に

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この大会の主催者の株式会社麻生は、麻生グループの中核企業。1872年(明治5年)、創業者の麻生太吉が目尾(しゃかのお)御用炭山を採掘し石炭産業に着手したことにその端を発している。

現在は、石炭からセメント事業に転換し、さらに多角的に展開し、健康・医療・福祉関連事業、教育人材関連事業、人材派遣関連事業、コンピュータ・ソフト開発関連事業、建設・商社関連事業、地域開発関連事業、環境関連事業など幅広い分野で九州を代表する企業グループに成長している。現在グループ社数102社、グループ従業員数1万4548人に達している。大会を開催している麻生飯塚ゴルフ倶楽部の理事長は元総理の麻生太郎氏である。

今回の特別なプロアマ開催について、麻生グループで福岡県下に看護大学校など13の専門学校を持つ、学校法人麻生塾の理事長麻生健氏は「今年6月1日で麻生グループ創業150周年を迎えることができました。その150年を記念して社会に貢献できないか、また創業の地である飯塚で何かできないかと模索する中で、チャレンジドツアーとしてこの大会をさせてもらうことになりました」と話す。

麻生グループは地元飯塚で開催される車いすテニス大会を40年以上応援し続けており、地元飯塚のタクシーは車いすの対応ができるようになっているなど、障害者を迎える体制ができている。また、麻生グループで障害者の就労支援事業もしており、障害者の方々に喜んでもらえるイベントをしたいと思っていたという。

特別なプロアマが開催できたわけ

「コロナ禍で特別支援学級の子供たちが遊べる環境ができていないとの話も聞いており、スナックゴルフを開催させてもらった。また、障害者ゴルフ協会と一緒にやりたいと話があり、プロが触れ合うことによって、お互い刺激になるのではないかと思い、今回のプロアマを開催した」(麻生健氏)とのことである。

もちろん、主催者として億単位の費用がかかる中で、グループの中では通常のゲストを招いてのプロアマをやりたいとの声もあったが、今回の特別なプロアマを開催することに決めたとのことである。

日本障害者ゴルフ協会代表理事の松田治子氏(筆者撮影)

日本障害者ゴルフ協会代表理事の松田治子氏は「全国に500名の会員がおり、主に肢体不自由者のゴルファーを中心に活動しています。一般の方々から、障害者ゴルフはどんなもの、みんな車椅子で来るのかしら?プレーが遅いので大変ではないの?と心配をいただきますがそんなことはありません。

活動を始めて28年になりますが、彼らが障害を克服しながらゴルフするエネルギー、いつも明るい笑顔をもらっています。私の仕事は障害者を励ますのではなく、障害者から励まされる仕事です。障害者ゴルフの良さを見てもらい、プロの方にもこの良さを伝えてほしいと思っています」と障害者ゴルフへの理解を語っていた。

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