欧州連合(EU)主要国であるフランス、ドイツ、イタリアは、一言でいえばウクライナの戦争長期化で追い詰められている。とくに戦争終結後のロシアとの関係を危惧するフランスとドイツは、ウクライナ支持を鮮明にした場合のロシアとの関係悪化を避けたい理由から、ロシアのプーチン大統領の怒りを買わないスレスレのところで軍事支援を行ってきた。だが、もはやその姿勢は限界に達し、ウクライナ支援の本気度が試されている。
欧州主要国の首脳が相次いでウクライナを訪問したワケ
EUの欧州委員会のフォンデアライエン委員長が6月11日、ウクライナの首都キーウを電撃訪問した。欧州議会のメツォラ議長もフォンデアライエン氏のキーウ訪問の前日、「(欧州議会は)ウクライナのEU加盟候補国としての申請を強く支持する」と述べた。
さらに16日にはEU主要国のフランス、ドイツ、イタリアに加え、ルーマニアの首脳がウクライナを訪問し、さらなる武器供与とウクライナをEU加盟候補国に認定することを支持した。翌17日には急遽予定を変更したイギリスのジョンソン首相が、キーウに2度目の訪問。イギリスがウクライナ兵士の訓練プログラムを提供すると約束した。
EUおよび欧州各国のこうした動きは、6月23~24日の欧州理事会(EU首脳会議)、6月29~30日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の下準備であるのは明らかで、ウクライナのEU取り込みと欧州安全保障政策の新方針を話し合う土台作りともいえる。
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