「Web3.0と仮想通貨」今さら聞けない基本中の基本 「主権のある個人が判断すべき」ビットコインの精神

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2021年3月を過ぎたあたりからビットコインのドミナンスが徐々に低下し、50%を下回るようになりました。潮目が変わったのは、2021年3月11日、ビープル(Beeple)というデジタルアーティストがNFT作品を史上最高額となる約6900万ドルで落札したニュースでした。

ビットコインはブロックチェーン上にアプリを乗せるのに適した構造にはなっていません。NFTのブームとともに存在感を発揮し始めたのは、イーサリアムをはじめとするNFTの受け皿となるブロックチェーンなのです。2021年は、ビットコイン以外の領域で大きな革新が起きた年といえるでしょう。

イーサリアムキラーが台頭

2021年末に同年に起きた出来事について、長年、仮想通貨業界を見てきたブロック・タワー・キャピタルのアリ・ポール氏は、次のようにまとめています。

「現在のサイクルは、ビットコインとは関係ない仮想通貨のユースケースが正当化されることで始まったサイクルです。以前のサイクルでは、セクター別の専門家になる意味はほとんどありませんでした。

4年前、DeFiやNFTはほぼ存在感がなく、ビットコイン以外の全ての分野は、意味ある形で存在していませんでした。(中略)現在、あなたはDeFiのイールドファーマー(流動性を供給して利息を獲得する人)にもなれるし、NFTの投機家にもなれるし、それぞれにおいてフルタイムの仕事に就くこともできます。そして、それぞれの分野に関する情報を追うために、個人ではなくチームが必要になりました」

仮想通貨とWeb3.0革命
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現在、NFTのプロジェクトは、ほとんどがイーサリアムを基盤としています。背景にあるのが、イーサリアムの最大の功績ともいえる、スマートコントラクトです。

スマートコントラクトは、あらかじめ決められた契約をブロックチェーン上で自動的に実行する仕組みです。スマートコントラクトのおかげで、イーサリアムのブロックチェーン上で、仲介業者なしに成り立つ分散型アプリケーション(dApps)の開発が進みました。イーサリアムがNFTで大きなシェアを獲得している理由は、スマートコントラクトの先駆けである点が大きいのです。

しかし最近は、イーサリアムのライバルである「イーサリアムキラー」と呼ばれるブロックチェーンが台頭してきているのです。具体的には、ソラナやアヴァランチ、カルダノといった新興ブロックチェーンです。

千野 剛司 Binance Japan代表

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ちの たけし / Takeshi Chino

慶應義塾大学卒業後、2006年に東京証券取引所(東証)に入社。2008年の金融危機以降、東証傘下の清算機関「日本証券クリアリング機構(JSCC)」においてOTCデリバティブ取引の清算集中プロジェクトを主導したほか、経営企画を担当。2016年以降、PwC JapanのCEO Officeにて経営陣の戦略的な議論をサポート。2018年、暗号資産交換所の米Krakenに入社し、2020年3月より日本法人代表を務めた。日本暗号資産取引業協会(JVCEA)では副会長、日本暗号資産ビジネス協会では理事を歴任。2022年7月より現職。

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