「不登校のSOS」親が察知すべき2つのポイント 言葉だけでなく行動や身体症状でも現れる

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このときによくあるのが「わかった。でも、もうすこしがんばってみよう」と子どもの背中を押すというもの。学校の先生が「一度休むと、不登校が長引くから」との思いから子どもを励ます事例も聞きますが、これは逆効果というより、百害あって一利なしと言っても過言ではないと私は考えています。自身の限界を感じ、やっとの思いで発した一言を受けとめてもらえなかった子どもの気持ちを考えると、とても残酷な対応ではないでしょうか。「休みグセがついたらたいへん」と言う人もいますが、私の経験上、「休めないグセがついたほうがたいへん」です。子どもが自身の痛みを周囲に隠しながら登校を続けることでできた傷が癒えるには、長い時間を要する場合があるからです。

言葉にならない

子どもが発するSOSは言葉だけではありません。行動や身体症状などのかたちであらわれる場合もあります。代表的なものを挙げると、「昼夜逆転や不眠」「玄関でうずくまって動かない」「トイレから出てこようとしない」というものから、「頭痛や腹痛」などの身体症状のほか、笑顔がなくなって能面のような表情になるなど、じつにさまざまです。

こうした言葉にならないSOSによる子どもの変化に直面したとき「あれ、なんかいつもとちがうな」と気づかれると思います。親としての直感とも言える気づきですが、その直感こそ大事にし、かつ信じていただきたいのです。なぜなら、わが子のプロは、親自身にほかならないからです。学校の先生がなりかわることはできません。実際に、そうした変化があるということは、すくなからず子どもに何かが起きているわけですから、軽視せず、変化に気づいたタイミングで子どもに「学校へ行かなくていいよ」と言ってあげられたら、それだけで子どもの気持ちはだいぶ軽くなります。

とはいえ、「学校へ行かなくていいよ」なんて、親としてもかんたんに言えるわけではないということは私も重々承知しています。でも、だからこそ、考えていただきたいのです。親をラジオに例えるならば、チューニングは「学校へ行きたくない」と考えている子どもに合っているのか。それとも、「学校へ行ってほしい(来させたい)」という周囲の大人に合っているのか。それにより、聞こえてくる「声」はガラッと変わってしまいます。親は自身の直感を信じ、チューニングは子どもに合わせる。これが不登校の子どものSOSに気づき、受けとめるうえで大事なポイントだと私は考えています。

(編集局・小熊広宣)

不登校の関連記事
2年で15万件以上の相談に対応、今つらい人が頼れる逃げ場をつくる意味
進級進学でまわりが動き出す4月、親がつぶれないためにできること
「学校へ行きたくない」と子どもから言われたら、親はどうすればよいのか

不登校新聞

日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

公式HP 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事