ザポリージャの倉庫に着いた家族は、ほっとした表情で抱き合った。学生のバレラ(18)によると、家族の避難ルートはこうだった。
4月16日 オハローミャ発
4月21日 ベルジャンシク発
5月 5日 メリトポル発
5月 6日 カムヤンスクで助けられる
ロシア兵に何度も尋問を受けながら、縁者を頼り、息をひそめるように移動を続けた27日間だった。マリウポリで洋服の仕立てをしていたリナ(55)は、こう語った。
「神様のおかげで戦争の恐怖から救われました。私たちはザポリージャにいます。私たちはウクライナにいます。最愛のウクライナに」
話し終えると、リナはあふれる涙を手でぬぐった。
そんなリナに向けてエールを送るゲナディー牧師。家族とメンバーを前に、こう話す。
「避難者は大変なリスクを抱えながら自由で安全なウクライナに着いた。ロシア軍の地獄をくぐり抜けた彼らとともに、この日を喜びたい」
開戦後、1300人を超える住民を救助したというゲナディーたち。30年にわたる教会活動で培った人脈と独自の連絡網を活かし、今日も前線に向かう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら