米国の戦略拠点を縮小、ソフトバンクの誤算 シリコンバレー拠点の理想と現実
共通モデルは日米の販売戦略に直結する重要課題。開発陣をカンザスに集約し、プロジェクトを再構築できるかどうかが、今後の競争戦略を左右することになる。
こうした中、注目されるのがスプリントの動向だ。同社は1月8日、2014年10~12月期の契約数が96万件の純増だったと発表(上図)。クラウレCEOは前日のイベントで「ライバルがわれわれから顧客を奪うトレンドはもう終わりだ」と宣言していた。
米国の巻き返しは道半ば
だが契約増の大半は、プリペイド契約と卸売り契約によるものだ。利用者単価の高いポストペイド(後払い)契約は3万件の増加にとどまる。同じ期間で、米国市場の2強であるAT&Tとベライゾンは、200万件前後の純増を達成。猛追するTモバイルも、212万件の純増を獲得するなど、ライバルは総じて好調。スプリントの実績は順調とは言いがたい。
スプリントは2014年12月、AT&Tとベライゾンの2強から乗り換えれば同等のプランで料金を半額にするキャンペーンを繰り出すなど、今後も低価格をキーワードに攻勢に出る構えである。カンザスへの一極集中とソフトバンクの後方支援によって、どこまで巻き返せるか。両社の連携の強さがあらためて問われることになりそうだ。
(「週刊東洋経済」2015年2月7日号<2日発売>「核心リポート02」を転載)
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