南果歩さん「重度のうつから再生して見えた景色」 離婚、がん闘病を経て見えた「神様のシナリオ」

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仕事もプライベートも、並ならぬ努力と行動力でつかみ取ってきた。そんな彼女の言葉だからこそ、その言葉にはなおさら重みがあった。

「本当に世の中にはどうにもならないことってあるんですよね。私は誰かと一緒にいる時は、200%相手を信じているから。仕事でも結婚生活でも、何かコトが起こる直前までは終わりなんて予想もしない。まあ、お気楽で幸せな人です。でも、だからこそ、突然、突き落とされた時は衝撃も大きくて。

ただ、2度も失敗している私がいうのはなんですけど、結婚は良いものだなって思いますよ。もともと他人だった2人が生活することを通して、お互いの人生を、思考や文化を分かち合う。こんなにも他者と深く交われる機会はそうないから。やっぱり面白いし、学びも深いですよね。まぁ、長続きする方法はいまだにわかりませんが(笑)」

52歳でがんが発覚

南さんが1度目の結婚をしたのは、31歳のときだ。当時、仕事に夢中で願望こそなかったものの、幸福にも授かった命が彼女を結婚へと導いてくれた。けれど、その結婚生活は5年で終わる。5年間のシングルマザー期間の後に出会って結婚したのが、単発ドラマで共演した俳優だった。2005年、41歳の時だ。

「私自身は、もう結婚という形はいらないかなと思っていたけど……。息子のために改めて家族を作りたい、当時は、できることなら兄弟を作ってあげたいとも思っていて。1度目の結婚と大きく異なったのは、私の覚悟です。2度目だし、何があっても添い遂げようと決断しました」

実際、彼女はそれ以降、俳優の仕事をセーブし、家族との生活を優先させた。彼をサポートすべく、一家でロサンゼルスに渡った。人気俳優同士の結婚とはいえ、異国の地で家族だけで過ごす時間は、素朴で温かな蜜月だった。

しかし、転機は訪れた。2016年、南さんが52歳の時に、乳がんが発覚。大切な舞台の仕事が控えていた彼女は、手術を即断した。手術は無事に成功、心身に痛みを抱えながらも舞台は無事に完走したが、その後も日常は変化し続けた。

今までとは違う。変化した自身の体を受け入れるにも時間が必要だったし、その先も長らく付き合わねばならない病だ。再発に細心の注意を払いながらも、治療し続ける日々は葛藤と苦しみの連続だった。

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