なぜ人は「ロードスター」に引き寄せられるのか 30回目の軽井沢ミーティングで再認した吸引力
ロードスターオーナーによる大きなイベントといえば、マツダ三次自動車試験場(広島県三次市)で10年に1度開催される行事があり、直近では2019年10月13日に「ロードスター30周年ミーティング」が開催された。現地の模様は、「『ロードスター』をこよなく愛する人の共通点~10年ぶりに開催されたファンイベントに潜入」に詳しい。
その時点(2018年12月末)で、NA~NDの累計販売台数は108万9697台。あれから3年半近くが経ち、マツダ創立100周年記念モデルなどさまざまな特別仕様車が導入され、NDは世界各国で着実に販売を伸ばしてきたのだが、2020年からのコロナ禍で市場動向に大きな変化が見えてきた。
なんと、2020年後半から4半期ごとの売上台数が前期比で増加に転じたのだ。
増えたのは20~30代の若いユーザー
さらに、2021年後半に市場導入した、軽量化仕様の「990S」がND販売台数を後押ししている。NDの開発総責任者である齋藤茂樹氏に軽井沢ミーティング2022で声をかけ、990Sに対する現状での感想を聞いた。すると「これほどまでに若い世代にウケるとは想像していなかった」と本音を漏らす。
マツダによると、コロナ禍でライフスタイルに対する考え方が変化する中、“クルマを楽しもう”という20~30代のロードスターファンが増加していると分析している。
中でも、990Sが大きなきっかけとなり、これまで1度もロードスターやオープンカーの購入を考えてこなかった若い世代が、ロードスターの世界に入ってきているのだという。
NDのみならず、NAやNBを購入する10代や20代の若者も珍しくない。実際、筆者が箱根で輸入車関連の取材をしている際、たまたま出会ったNAのオーナーは群馬県から自走して来た19歳の女性だった。「リトラクタブル(格納式)ヘッドライトが素敵だから」という理由で、免許取得後、初めてのクルマとしてNAを選んだという。
日本では「ユーノス ロードスター」の名で登場したNAは、1989年から1997年にかけて43万1506台がグローバルで販売された大ヒットモデルで、「小型オープン2シーター」という市場を世界に作った立役者でもある。
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