花王「アタック」34年も洗剤首位に君臨できる理由 洗濯機、衣類の大変化に向き合い進化を怠らない

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また、洗濯機の節水機能も高まり、少ない水で多くの衣類を洗う時代となった。ドラム式洗濯機の「衣類を叩いて洗う」手法は、その昔はなかったやり方だ。

衣類では、綿素材だけでなく化学繊維や混紡が増えた。混紡とは、複数の繊維を混ぜた素材で、こうした素材は繊維のすき間などに汚れが入り込むと、洗剤では落ちにくいこともある。昔に比べて服の機能性も高まり、アイロンがけをしなくてもいいワイシャツも増えたが、「汚れを落とす環境としては厳しくなっています」(原岡さん)。

今や「液体洗剤が9割」の市場に

こうした洗濯環境の変化で「アタック」の形状や中身を見ると興味深い。

現在の衣料用洗剤は「粉末洗剤が約1割:液体洗剤が約9割」と圧倒的に液体洗剤が主流だ。だが、アタックは1987年「世界初のコンパクト洗剤」として、1.5㎏の粉末で発売。その8年後の1995年、よりコンパクト化した1.2㎏の粉末洗剤を発売している。

「アタックの歴史で最も大きなターニングポイントは、2009年に発売した『アタックNeo』です。環境に配慮したエコロジーの視点が加わり、すすぎも1回ですむ商品でした。節水や省エネ(洗濯時間の短縮)に消費者の方と取り組む『いっしょにeco』もご提案させていただきました」(原岡さん)

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